野党の有力な大統領選挙候補である共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は、12日「北朝鮮の核問題解決に向けて、北朝鮮を圧迫するにしても、制裁するにしても、金正恩(キム・ジョンウン)を実体として認めざるを得ない」と述べた。また、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備に対する中国の報復措置についても「中国が懸念し、反対意見を出すことは十分理解できるが、THAAD配備は韓国の安保に関する問題であり、韓国の主権事項」だとしたうえで、「中国が反対意見を表明することを超えて、反対意見を貫くために過度な圧迫を加えるのは正しくない」と強調した。
文前代表は12日、ソウル汝矣島(ヨイド)民主党本部で開かれた記者会見で、北朝鮮の核問題やTHAAD配備問題と関連して解決策を尋ねる記者たちの質問に対してこのように答えた。文前代表はこれに先立ち、10日に公開された「ニューヨークタイムズ」とのインタビューでも「韓米関係は今後さらに堅固に発展させていかなければならないが、その関係が過度に一方的であってはならない」とし、「米国にノー(No)と言えなければならない」いう趣旨の発言をしている。
文前代表の記者会見とインタビュー内容が公開されてから、自由韓国党と正しい政党は文前代表の「不安な安保観」を叱咤し、攻勢に乗り出した。特に、正しい政党の大統領候補の劉承ミン(ユ・スンミン)議員は、文前代表が「中国が反対意見を出すことを十分理解できる」、「金正恩を対話の相手として認める」と発言したことを問題視し、「韓国の軍事主権を放棄して中国と金正恩の言うとおりにするということなのか」としたうえで、「このような候補を大統領に選ぶなら、韓米関係は根底から揺るがされ、中国の圧力に屈服して軍事主権を放棄しなければならず、北朝鮮の核ミサイル脅迫の人質になって北朝鮮の言いなりにならざるを得ないだろう」と批判した。
文在寅陣営のイム・ジョンソク秘書室長は、このような批判に対して「一方的でない国益中心の外交を言及したこと」だとし、「同盟国という理由で、主権国家である大韓民国が米国の要求に無条件に“イエス”(Yes)と言わなければならないのか」と反論した。文前代表側はまた、「韓国語で行われた当時の(ニューヨークタイムズとの)インタビューで、文前代表が『韓国は、米国にノーと言えなければならない』という表現を直接使ったわけではない」と説明しながらも、「国益外交を強調した発言の趣旨は変わらないため、訂正報道を要請しなかった」と話した。
韓国語原文入力:2017-03-12 22:44