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国連安保理対北決議のために開城工団再開ができないだって?

登録:2017-02-13 16:50 修正:2017-02-14 07:55
統一部主張に批判殺到
2013年の支援禁止などの安保理決議
2016年の閉鎖時まで問題にせず
流入現金の北朝鮮核転用の証拠もなし
「開城工団閉鎖」1年を迎え、工団を一目で見渡せる都羅山展望台から開城工団の日暮れを撮影した。工団は映画に出てくる人の住んでいない都市のようだった。道行く人は見えず、建物には明かりがついていなかった。街灯だけがさびしく工団を照らしていた=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 統一部当局者は7日、「開城(ケソン)工業団地(工団)閉鎖1年」関連の匿名ブリーフィングで「開城工団を再開した場合、国連安全保障理事会決議違反問題を引き起こす可能性がある」と強調した。安保理決議のために開城工団再開が難しいという話だ。しかしこれについて「事実でないばかりか自害的解釈だ」という批判が沸き起こっている。

 2016年2月10日の開城工団「全面中断」(閉鎖)は、安保理決議によるものではない。朴槿恵(パク・クネ)政権の政策決定だ。ただ、政府と一部の専門家は、去年北朝鮮の4回目・5回目の核実験後に安保理が採択した決議 2270・2321号の「大量の現金の北朝鮮に対する移転」(2321号 35項)と 「北朝鮮に対する貿易および金融支援」(2270号 36項、2321号 32項)の関連規定を「工団再開不可」の根拠に掲げている。

 しかし事実ではない。「大量の現金の北朝鮮に対する移転」の憂慮は2012年12月12日の北朝鮮ロケット打ち上げに対応してなされた「決議 2087号」(2013年 1月22日、12項)と3回目の核実験(2013年 2月12日)に対応してなされた「決議 2094号」(2013年 3月7日、14項)で初めて登場した。「北朝鮮に対する貿易および金融支援」禁止は「決議 2094号」15項が最初だ。しかし開城工団はその後も正常運営されてきた。

 その上、ホン・ヨンピョ統一部長官は北朝鮮の第4次核実験(2016年 1月6日) 直後の同年 1月22日、 朴槿恵大統領に対し業務報告を行ない 「開城工団が南北関係で占めている明確な位置があり … 今まで国連制裁にもかかわらず国際的な共感の中で運営が維持できたもの」と報告した。この時点までも、 朴槿恵政権の開城工団に関連する公式認識は「安保理決議違反ではない」だったわけだ。

 そうした 朴槿恵政権が去年2月10日、開城工団「全面中断」を宣言し「開城工団を通して現金が流入し、それが核兵器と長距離ミサイルを高度化するのに使われたものと見られる」と突然発表した。しかし「証拠を示せ」という世論が沸き立つと、ホン長官は去年2月15日の国会外交統一委員会で「確証はなく憂慮だけがあったもの」と述べ、「証拠がない」ことを告白した。安保理制裁は「核・ミサイルなど軍事的転用に関連した明白な証拠」を前提としている。安保理決議 2270・2321号に朴槿恵政権のこのような主張が認容されていない理由だ。

 開城工団は当初から「対北朝鮮制裁」を前提に始まった。2000年の南北首脳会談直後に合意した開城工団が 2004年12月15日になってようやく工場稼動開始となったのには「テロ支援国には軍事転用の可能性のない物品のみ (再)輸出することができる」という米国国内法の規定を充足させなければならなかったからだ。 当時米国商務省側との交渉に参加したキム・ヨンチョル仁済大学教授は「開城工団のすべての設備に身分証明書にあたる電子タグ(RFID)を付けた。米商務省はこれを高く評価した」として「開城工団は最も模範的な二重用途製品(民需用と軍需用)判定システムを備えている」と述べた。キム教授は「安保理決議のため開城工団を再開することができないという主張は嘘だ」と政府の態度を批判した。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2017-02-09 01:32

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/781916.html   訳A.K

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