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[社説] “犯罪現場”である大統領府の家宅捜索拒否は“重大犯罪”

登録:2017-02-03 23:04 修正:2017-02-04 08:19
大統領府に対する家宅捜索に踏み切った特検のヤン・ジェシク特別検察官補(左)とパク・チュングン特別検察官補が、大統領府の訪問客案内所前で車から降りている。大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 3日、パク・ヨンス特別検察官チームの大統領府家宅捜索が、大統領府の拒否と阻止により失敗に終わった。今月末まで繰り返し試みることが可能というが、大統領府側が頑強に拒むなら道理が引っ込み軋轢と衝突だけが続くことになる。裁判所が適法に発行した令状を、国家機関である大統領が拒否したということは、それ自体が三権分立と令状主義を定めた憲法原則の毀損だ。憲法違反の責任を厳しく問わざるをえない。

 大統領府側は「軍事上の秘密を要する場所」あるいは「公務上の秘密に関すること」に対する家宅捜索には責任者の承諾が必要という刑事訴訟法の規定を前面に掲げている。だが、そのような規定のすぐ後には「国家の重大な利益を害する場合を除いては承諾を拒否できない」と明示されている。重大な国益が侵害されるのでないならば、家宅捜索を承諾しなければならないという意味だ。特検が家宅捜索しようとする大統領府の多くの事務室が、どれほど軍事上・公務上の秘密を必要とする場所なのかは疑問だ。たとえ重大な秘密があっても、家宅捜索の過程で協議し選別すれば良いことであって、大統領府への進入を完全に拒む必要はない。今この国には国政壟断の真相を逐一糾明すること以上に重大なことはない。特検の家宅捜索を阻止して、国政壟断捜査を妨害することこそが「重大な国益侵害」だ。

 家宅捜索の対象である大統領府事務室は、すべて国政壟断事件の“犯罪現場”だ。文化芸術界ブラックリストは秘書室長室から指示が下され、政務首席室などで作られた。また、チェ・スンシル氏の国政壟断は付属室を経て大統領に伝えられ、経済首席室と政策調整首席室を通じて実行された。民政首席室はこれを知らぬフリをしたり、逆に障害物を片づける役割をしたという疑惑を受けている。大統領官邸と医務室は、セウォル号の7時間にわたり大統領が憲法上の職務を遺棄し放置した現場だ。大統領府の家宅捜索は、これらの犯罪の現場確認であるだけでなく、まもなく行われる朴槿恵(パク・クネ)大統領の対面調査を控えた物証確保のためにも必ず必要な捜査手続きだ。これを拒むことは明白な公務執行妨害だ。家宅捜索を通じて大統領記録物などの証拠が毀損された痕跡が発見されるならば、それも厳しく処罰されるだろう。

 大統領府は今からでも家宅捜索に積極的に協力しなければならない。ごり押しをして時間稼ぎをしても、国民の怒りと抵抗を大きくするだけだ。大統領権限代行の黄教安(ファン・ギョアン)首相は、特検の協力要請に応じて大統領府が家宅捜索を受け入れるように協力することが正しい。それだけが波紋を減らす方法だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/781246.html 韓国語原文入力:2017-02-03 17:24
訳J.S(1202字)

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