登録 : 2017.01.22 23:36 修正 : 2017.01.23 07:05

「拘置所の人権」を享受している元公安通法務長官 
ソ・ジュンシク氏などの人権闘争、金大中・盧武鉉政権経て制度改善の恩恵 
「イ・ジェヨンの肛門検査」は肉眼ではなく「カメラ椅子」を使用

文化・芸術界の「ブラックリスト」を作成・管理した疑いで拘束された金淇春元大統領府秘書室長が1月22日午後、召喚取調べを受けるためソウル江南区の特検事務所に入っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社
 22日午後2時、金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長、チョ・ユンソン前文化体育観光部長官が法務部の護送車に乗せられソウル大峙洞(テチドン)のパク・ヨンス特別検察官チームに召喚された。二人は2日前に拘束前被疑者尋問(令状実質審査)の時に着ていた黒のコートをそのまま着ていた。拘束令状が発行されても無罪推定原則が適用される「未決収容者」であるため、捜査を受けるために拘置所の外に出るときは囚人服ではなく私服を着ることができる。しかし拘置所に戻ればすぐに囚人服に着替えなければならない。靴はゴム靴か紐なしの運動靴のうちから選ばなければならない。

 「朴槿惠-チェ・スンシルゲート」捜査が速度を上げ、高位公職者や財力があり強いバックがある収容者を意味する「ボムトル(虎の皮)」が集団で拘置所に留まり、捜査や裁判を受けている。しかし以前のように「特恵」の騒ぎは起きていない。サムスン電子のイ・ジェヨン副会長も18~19日、令状実質審査結果を待つ間はソウル拘置所で生まれて初めて囚人服を着なければならなかった。特に彼が他の収容者たちと同様な入所手続きで肛門など特定部位の身体検査を受けたことが伝わり、話題を集めた。このような身体検査は金元室長とチョ前長官も避けて通れない。

 しかし、多くの人が考えるように、当事者にとっても見る人にとっても苦役である「肉眼検査」はない。収容者の人権保護に対する要求が高まり、2008年から導入された「カメラ椅子」(電子撮像装備)による肛門検査が行われている。矯正施設の入所者が髪の毛、耳、脇、手足の指の間、肛門、口内に搬入が許されないタバコや麻薬、自害・脱出が可能な物品等を隠して持ち込むのを防ぐため、精密身体検査を受ける。かつては「裸体検査」で施行された。しかし、今はガウンを着て下着を下した状態で「カメラ椅子」に2~3秒間足を広げてかがんで座ると、衝立で隔離された統制室で看守がモニターにより特定部位を観察する。収録はされない。肉眼からカメラに変わった後も、収容者の罪質などを考慮せず一律的に肛門検査を行うことは基本権の侵害だとして憲法裁判所に憲法訴願が出されたこともあるが、憲法裁は「生命・身体の安全と秩序維持という公的利益の方が大きい」とし、合憲を決定している。

 普段は整った髪の手入れや念入りな化粧で政界に知られたチョ前長官は、2日連続で化粧気のない「素顔」で特検チームに呼ばれ取り調べを受けた。拘置所には化粧品の搬入が禁止されている。拘置所内で購入して使わなければならないが、乳液、化粧水、栄養クリーム、日焼け止め程度だけが可能だ。色のついた化粧品は使用できない。ジョンソン・アンド・ジョンソン、ユハンキンバリー、エギョン、ニベア、LG生活健康、アモーレの製品が納品されており、栄養クリーム(2万~3万ウォン=約2千円~3千円)を除いては1万ウォン(約千円)前後の製品だ。2015年に「ナッツリターン」で起訴されたチョ・ヒョンア元大韓航空副社長は「拘置所のお姉さんたちが化粧水や乳液を貸してくれた」という反省文を書き話題にもなった。

チョ・ユンソン前文化体育観光部長官が1月22日午後、刑務官に囲まれソウル江南区大峙洞の特検事務所に召喚されている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 普段、金縁眼鏡をかけていた金元室長は、20日は令状実質審査場に普段はかけない黒縁の眼鏡をかけて登場した。法曹界では「法務部長官まで務めた金元室長が、令状発行を予感したのではないか」と話も出回った。金属材質の眼鏡のフレームは手錠などを解いたり、自害または他の収容者を脅す凶器に使われる可能性があるという理由で、拘置所への持ち込みが制限されているためだ。最近は規定がかなり緩和された。眼鏡のレンズを囲むフレームは金属であっても搬入可能であり、眼鏡のつるが金属でもプラスチックでコーティングされていれば搬入が許容される。ただし、眼鏡のつるの幅は8ミリを超えてはならない。チョ前長官は縁なし眼鏡をかけて調査を受けた。

 普段「儀典」を重視していた金元室長は、この日ネクタイなしのワイシャツ姿で特検チームに現れた。拘置所では首を絞めるなど自害行為が可能なネクタイ、ベルト、紐のある靴は許容されないからだ。ソウル拘置所関係者は「羞恥心や侮辱感は人によって違いうるが、公開された場所でなく閉鎖された施設であり地位を問わず関連入所手続きを踏んでいる」と話した。

 「左派撲滅ブラックリスト」を作成した疑いで、冬の厳しい寒さのなか拘置所生活をすることになった金元室長とチョ前長官が、それでも私服での調査や暖房のある所で生活できるのは、彼らが理念的に「撲滅」しようとした人々のおかげだ。人権連帯のオ・チャンイク事務局長は「金元室長が法務部長官だった時代には、未決囚も囚人服を着用しなければならず、真冬でも矯正施設には暖房が効かず、凍死しないように温水を入れたペットボトルを抱いて寝なければならなかった。人権運動家のソ・ジュンシク氏などが憲法訴願などを通じて未決囚の権利のために闘い、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を経てそれでも一歩前進した刑務所行政の恩恵を受けている」と話した。

キム・ナムイル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-01-22 21:16
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/779774.html 訳M.C(2515字)

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