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「広場が閑散とするのが心配で出てきた」極寒を溶かす13万のろうそく集会の叫び声

登録:2017-01-15 23:32 修正:2017-01-16 06:36
氷点下13度「今年一番の寒波」に見舞われた12回目のろうそく集会 
SK、ロッテの社屋近くを行進する時に「財閥も拘束せよ」叫び
弾劾反対保守集会、主催側は「120万人参加」主張
14日午後、今冬一番の寒気の中で、ソウル光化門広場で開かれた12回目のろうそく集会に参加した市民たちが集会を終え青雲洞事務所前へ行進した後、朴槿恵大統領の退陣を要求するスローガンを叫んでいる=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「30年前に朴鍾哲(パク・ジョンチョル)、李韓烈(イ・ハンヨル)のような人が命を賭けて闘って独裁政治が終わり、いま私たちがこのように暮らしていられるのではないか。私も次の世代に少しでも良い世の中を引き継ぐために、寒いのは問題ではない。寒くても出て来なくては」

 キム・ジンさん(56)は、会社員だった30年前の1987年、家族の生計に責任を負っていたため街頭に出られなかったという。30年が経った2017年、キムさんは毎週ろうそくを掲げて街頭に出ている。体感温度が氷点下13度に達する寒波の中でも、彼はろうそくを消さなかった。

 今冬一番の寒波を記録した14日夕方、「朴槿恵政権退陣非常時局行動」がソウル光化門広場で開いた「第12回汎国民行動の日」ろうそく集会で、一人の子どもが厚く着込んでろうそくを掲げている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 14日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の光化門(クァンファムン)広場一帯で行われた「即刻退陣、早期弾劾、工作政治主犯および財閥総帥の拘束のための第12回汎国民行動の日」ろうそく集会には、今冬一番の寒波にもかかわらず、13万人(主催側推算)の市民が街頭に出た。今日一日ぐらいは家でゆっくりと暖かい週末を送ってもいいはずだが、再び街頭に出てきた人々は切迫した様子だった。

 家族と一緒に集会に参加したチェ・ウソクさん(49)は「今日は寒くて外出しようとは考えもせず、家でテレビを見ていたところ、集会に参加した友達のカカオトークを見てガツンとやられたような気分だった。今こうしていてはだめだと思って、家族とともに急いで光化門広場へと駆けつけた」と話した。アン・サンウォンさん(48)は「寒いので人が少ししか来ないのではと心配で、よけいに出てこなければと思った」と話した。

 市民たちのこのような情熱のおかげで、朴鍾哲烈士30周忌を迎えて行われた12回目のろうそく集会も熱気に溢れていた。この日は1987年に南営洞(ナムヨンドン)の保安分室で拷問されたソウル大学学生の朴鍾哲氏(当時22歳)が亡くなって30年になる日だ。ハム・セウン神父は舞台に上がり、「30年前に国家暴力によって亡くなった朴鐘哲君と、同じ年に亡くなった李韓烈烈士の犠牲が、30年後の今日、広場の市民革命へと私たちを導いた。主権者である市民が主体となって国を変えよというのが朴鍾哲と李韓烈の命令」と訴えた。

14日午後、今冬一番の寒気の中で、ソウル光化門広場で開かれた12回目のろうそく集会に参加した市民が、朴鐘哲死亡30周忌を迎えて作られた追悼横断幕の前で故人を追悼している=シン・ソヨン記者

 民主社会のための弁護士会(民弁)のチョン・ヨンスン会長は、30年の時差を経て繰り返される工作政治を批判した。チョン会長は「工作政治は民主主義の根幹を揺るがし我々の社会を蝕む」とし、「朴鐘哲を殺した工作政治を終わらせるためには、キム・ヨンハン元民政首席秘書官の業務日誌に出てきた真相を明らかにしなければならない」と強調した。この他にも舞台には、サムスン電子LCD工場で勤務し脳腫瘍にかかった被害者の家族、大企業の路地裏商圏への参入により被害を受けた中小商人、現代(ヒュンダイ)自動車の非正規職支部労働組合員、現代自動車の下請け会社の甲乙(カブウル)オートテックの労働者の家族などが上がり、サムスンをはじめとする財閥企業を糾弾した。

 本集会が終わった後、夜7時頃から大統領府、首相公館、憲法裁判所、大手企業本社がある都心など4つの経路で行進をした。市民たちは鐘路1街のSK本社と中区(チュング)小公洞(ソゴンドン)のロッテデパート本店を通る途中で「財閥総帥を逮捕せよ」とスローガンを叫び、ラッパを吹いて揶揄した。行進を終えた市民は再び光化門広場に集まった後、夜8時30分に集会を終えて解散した。

14日午後、今冬一番の寒気の中で、ソウル光化門広場で開かれた12回目のろうそく集会に参加した市民が集会を終え青雲洞事務所前へと行進した後、朴槿恵大統領退陣を要求するスローガンを叫んでいる=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 一方、親朴(親朴槿恵)団体が集まった「大統領弾劾棄却のための国民総決起運動本部」(弾棄国)は同日午後、ソウル鍾路区の恵花(ヘファ)ロータリーで、弾劾審判棄却と特別検察官チームの解体などを要求する大統領弾劾反対集会を開いた。参加者らは太極旗を振りながら軍歌「滅共のたいまつ」、「戦線を行く」、愛国歌などを歌いながら「弾劾棄却」を叫んだ。この集会にはチョン・ミホン元韓国放送(KBS)アナウンサーとセヌリ党のキム・ジンテ議員が参加し、「野党単独で推薦した特検の捜査が公正なものか」と特検捜査の公正性を問題視した。主催者の弾棄国は集会の参加人員を120万人と主張した。

 警察はこれまで続いた集会人数の推算をめぐる論議により、自主的に集計した集会人数をメディアに公開しなかった。

ホ・スン、パク・スジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/778726.html 韓国語原文入力:2017-01-14 23:50
訳M.C(2438字)

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