「私たち夫婦が手をつないで冬に外出するのは10年ぶりぐらいだ」
C氏(52)が妻としっかりつないだ手を見せながら話した。妻のLさん(52)は照れくさそうにうつむいた。クリスマスひとつちゃんと過ごしたことのなかった中年夫婦は、恋愛時代に戻ったように寒さも忘れていた。C氏は「妻がセウォル号の子どもたちのために一番たくさん泣き、二番目には加湿器殺菌剤で亡くなった子どもたちのために泣いている。子どもたちを死なせる社会は、それ自体が人間が生きられる社会とは言えない」と言いながら涙をにじませた。夫婦は「最後まで皆勤しようと二人で誓い合った」と、しっかり握った手を振って見せた。
24日、ソウル鍾路区の光化門(クァンファムン)広場一帯をはじめ、全国13地域で開かれた朴槿恵(パク・クネ)政権退陣を求める9回目のろうそく集会に、延べ70万1800人(警察推算瞬間最多人数5万3000人)が集まった。ろうそく集会が2カ月にわたり続く中、土曜日の光化門広場は単なる時局を糾弾する集会場所ではなく、過去に対する省察の場、未来を確認する祭りの場になっている。
キム・デファンさん(54)とイ・ウンジュさん(47)夫婦はろうそくのおかげで毎週土曜日を一緒に過ごしている。第1回集会から続けて参加しているキムさんは「秋に始まってクリスマスまで夫婦で毎週一緒に参加した。朴槿恵退陣で終わらず、マスコミ、財閥、検察を改革し、これまで積もった弊害を清算すれば忘れられないクリスマスになるだろう」と話した。
この日、舞台ではクリスマスムードに合わせてイ・ハンチョル、マヤ、『自転車に乗った風景』など人気歌手の公演が続いた。一部の市民はサンタの服を着てパーティーを楽しむように集会に参加していた。氷点下の寒さにもかかわらず、市民たちは夜遅くまで響いたキャロルに合わせLEDのろうそくを振りながら舞台を楽しんだ。
3人の娘といっしょに参加したイ・クビョンさん(44)、パク・ウンヨンさん(44)家族は「前から参加したかったが忙しくて出て来られなかったのが残念で申し訳なくて、今度のクリスマスは家族一緒に光化門広場で過ごすことにした」と言い、「思った以上に子どもたちが楽しんでいる」と話した。京畿道烏山(オサン)に住むパク・キヨンさん(45)、キム・ヨンソンさん(46)一家も息子・娘と共に集会に参加し「子どもらは勉強が忙しく、両親が共働きしているため家族が一緒に過ごすことがなかったが、久しぶりに家族が集まった」と笑った。
カップルたちは、ろうそくデートを楽しんだ。光州(クァンジュ)に住む会社員カップルのソン・ハラさん(27)、クォン・オチャンさん(27)は、今年のクリスマス旅行に光化門広場を選んだ。ソンさんは「今度のクリスマスにどこに遊びに行こうか考えていたところ、これまでろうそく集会に参加できなかったのが申し訳なくてここにきた。話にだけ聞いていたが、実際に来てみると思った以上にお祭りのようで楽しい」と話した。パク・アラムさん(24)、キム・ドンゴンさん(24)も「最初からクリスマスのデートでここに来ることを予定していた」と話した。パクさんは「寒くなり、クリスマスだから人々があまり参加しなさそうで、私たちも力を加えようと思って出てきたが、いざ来てみると気持ちが安らいだ。もっと多く参加できなかったのが残念だ」と話した。