朴槿恵(パク・クネ)大統領が、来月初めに予定されたいわゆる「朴槿恵・チェ・スンシル特検」の発足を控えて弁護人団を新たに設置するなど、"総力対応"体制を固めている。前日の検察特別捜査本部(本部長イ・ヨンヨル)が発表した「チェ・スンシル国政壟断」事件の中間捜査結果が公正でないとして、特検における緻密な"法理論争"に集中するということだ。
大統領府関係者は21日の電話インタビューで「(前日)検察の捜査結果の発表を見て朴大統領の弁論を担当させてほしいと名乗り出た方が数名いる」として、「12月初めに稼動される特検に備えて、来週には弁護人団が本格的に構成されるだろう」と話した。大統領府は、検察の捜査段階では代表的な「院外親朴(槿恵)」のユ・ヨンハ弁護士を唯一の法律代理人にしたが、本格的に幅広い捜査が予告されている特検では弁護人団の「体系的弁論」を通じて細かい法理論争に乗り出す見通しだ。
これは、政界で朴大統領の弾劾論議が始まったことを受け、まず特検捜査を通じて最大限時間を稼いで、憲法裁判所の弾劾審判で"有利な決定"を導き出すという意志の表れと見られる。大統領府は、朴大統領の弾劾案が国会で可決された場合、特検の捜査結果が憲法裁の弾劾審判に重要な根拠資料になることに注目している。憲法裁は、朴大統領に対する弾劾案を棄却するか認容するかを決めるだけで、朴大統領の違法行為を直接調査する権限はない。このため、大統領府は最長120日と予定される特検に"すべてをかける"ことで検察の起訴内容に反論し、憲法裁がこれを受容して弾劾案を棄却することを「最上のシナリオ」と判断している。憲法裁の免罪符を基に再び国政に全面復帰するという戦略だ。大統領府が前日「いっそのこと合法的な手続きによって1日も早く論議に決着をつけてほしい」として、弾劾を誘導する態度を示したのも、このためと見られる。
これと共に、朴大統領の弁護人であるユ・ヨンハ弁護士とセヌリ党は「中立的な特検」を強調している。「朴槿恵・チェ・スンシル特検法」は野党が推薦した2人の特検候補から朴大統領が1人を指名することになっている。野党が推薦した特検の"中立性"を問題視して指名を先延ばしするか、特検捜査で朴大統領の「共謀」嫌疑が再び浮き彫りになる場合、中立性を問題視するという防御線を張ったものと分析される。
朴大統領の"居座り"はまた、できるだけ時間を稼ぎ、核心支持層や保守層の結集を引き出すという戦略でもある。実際、朴大統領がこのような事態の中でも押し進めている韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と高高度防衛ミサイル(THAAD)配備、歴史教科書国定化などは、保守層の支持を得られる事案だ。龍仁大学のチェ・チャンリョル教授は「韓国社会を保守対進歩の理念対決に追い込み、陣営間の戦いであることを明確にできる事案」だとしたうえで、「支持層を結集し、『まだ大統領は私だ』というメッセージを発信している」と指摘した。
朴大統領が最近、外交部次官の任命など人事権を行使しているのも、不安が広がっている公職社会に朴大統領が依然として人事権を持っていることを認識させる狙いとみられる。朴大統領はまた、LCTの不正に対する厳罰を指示するなど、検察に対しても依然として"上官"としての威信を強調している。チェ教授は「朴大統領は事態の初期には『責任首相』を掲げ、状況を免れようとしたが、12日の100万キャンドル集会以来、退陣運動が本格化されると、馬脚を露した」として、「とりあえず(大統領府に)居座ることで時間を稼ぎながら、その間に状況の変化や突発事態を期待しているようだ」と指摘した。