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朴大統領、挙国内閣・責任首相には言及せず…「第一線から後退」を事実上否定

登録:2016-11-04 23:23 修正:2016-11-05 06:45
首相指名について何の説明もなく 
議論が起こると大統領府は収拾に出たが 
首席報道官の「権限委任」の言葉とは異なり 
秘書室長「一線からの後退を建議するつもりはない」
朴槿恵大統領が4日午前、大統領府春秋館の大会見室で「チェ・スンシル国政介入」疑惑に関連する対国民談話を終えて外に移動している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 4日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の対国民談話は「国家の危機状況」を理由に協力と団結を繰り返し訴えながらも、今の危機と国政空白の状況についていかなる解決策も提示しなかった。「局面転換を狙った責任逃れの謝罪」という批判がついてまわる理由だ。特に最近、大統領府と与党側から出た「挙国中立内閣」や「責任首相」に対する説明が皆無だった点については、朴大統領が国政運営の主導権を握り続けるという意味ではないかという観測が出ている。朴大統領の談話で、国政空白の状況と関連した部分は「安保が非常に大きな危機に直面しており、我が国の経済も厳しい状況だ。国内外のさまざまな懸案が山積しているため、国政は一刻も中断されてはならない」と言及した内容だ。さらに朴大統領は「より大きな国政混乱と空白状態を防ぐため、真相究明と責任の追及は検察に任せ、政府は本来の機能を一日も早く回復しなければならない」と述べ、「社会各界の元老と宗教指導者、与野党の代表たちと頻繁にコミュニケーションを取り、国民と国会の要求を一層重く受け入れる」と明らかにした。国政運営を真相究明や責任追及とは分離させ、国政収拾案に関しては「コミュニケーション」を通じて「国民と国会の要求」を受容するという言葉でごまかした。

 この過程で、金秉準(キム・ビョンジュン)首相候補者を国会と一言の相談もなく急いで指名したことについて、いかなる説明や了解も求めなかった。

 大統領府の電撃的な内閣改造によって、野党が首相・副首相などあらゆる人事聴聞の手続きを拒否すると明らかにしていることに対しても、衝突を解決する案はまったく提示されていない。さらには前日、金秉準候補者が「大統領も共感した」と述べた「社会・経済分野の専担責任首相」についても沈黙している。大統領が政治的な宣言を通じて権限の委任を明示的に発表すると期待した金秉準候補者も鼻白む状況になったということだ。政界では朴大統領が金秉準候補者から「自称責任首相」というレッテルを剥がすという意味でも、今回の談話で首相の権限に対する具体的な言及が出るべきであったという見解が多数を占めている。

 議論が起こると大統領府は一歩遅れて収拾に乗り出した。ペ・ソンレ首席報道官は「新首相と大統領の役割分担についての話がなかった」という記者らの指摘に「大統領はすでに首相候補者指名前の日曜日(10月30日)に、(金秉準候補者と)十分に協議の上で権限を渡し、昨日首相(候補者)もそのような意志を表明したため、あえて「正しい・間違っている」という話をする必要がなかった」と説明した。そして、「(首相が)国政の責任の中心者だ。長官任命提請権と解任建議権などすべての権限を首相に(与えて)それなりの役割を担うという前提の下、昨日の首相(候補者)の記者会見での話をそのまま受け入れたものと理解すればいい」と付け加えた。

 しかしこの日午後、国会運営委員会全体会議に出席した韓光玉(ハン・グァンオク)大統領秘書室長の言葉はまた違った。韓室長は「大統領に国政の第一線から退くように建議する考えはないか」という共に民主党のキム・ハンジョン議員の質問に対し「私としてはそのような建議をするつもりはない」と言い切った。国政運営の最終責任者である大統領が憲法で与えられた権限を引き続き行使するのが妥当だという話だ。大統領が社会・経済分野の国政の第一線から退くだろうという首席報道官の言葉を、上級官である秘書室長が覆したことになる。

イ・セヨン、チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/768890.html 韓国語原文入力:2016-11-04 20:57
訳M.C(1779字)

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