警察庁のイ・チョルソン庁長が故ペク・ナムギ氏の解剖検査令状を強制執行しない意向を明らかにした。
イ庁長は24日午前の記者懇談会で、ペク氏の解剖検査令状執行と関連して「夜間に行ったり過度に物理的な力を動員するような執行はしない。令状に提示された条件を最大限守り、正々堂々と執行する努力をする」と話した。遺族や市民は警察の解剖令状執行を阻止する意志が強い状態であり、イ庁長のこのような発言は、事実上解剖令状の強制執行はしない考えを明らかにしたものと解釈される。令状の有効期間は25日夜11時59分までだ。
強制的に解剖検査令状を執行した場合に沸き起こる法的論争も影響を及ぼしたものと思われる。イ庁長は「令状に関して、発行した裁判所でも『事実上棄却である』と言い、他の裁判所の高位関係者は『そうではない』と言い、いろいろな議論がある」と話した。5日、国会法制司法委員会の国政監査に出席したソウル中央地裁のカン・ヒョンジュ裁判所長は、ペク氏の解剖検査令状について「(令状に提示した条件は)義務規定であり(捜査機関は)制限に従わなければならない」と説明した。強制解剖を行い裁判所から「令状の条件を守らなかったために証拠能力がない」と判断された場合には、世論の叱咤を受け強制的に解剖検査をしたことがすべて水の泡となり得る。
その代わり警察は令状を再申請し、無条件の令状発行を受ける方を選んだものとみられる。警察関係者は「23日の解剖令状執行の試みは、すぐに令状の再申請に入るための手順」だと説明した。イ庁長も令状の再申請について「検察と協議し、そのときに考える」と可能性を持たせた。昨日、警察は午前10時からソウル鍾路(チョンノ)区のソウル大学病院葬儀場を訪れ、解剖検査令状の執行を試みたが、遺族が反対の意思をはっきり示したところ3時間で撤退した。