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韓国の民主主義は「参加の危機」ではなく「代表性の危機」

登録:2016-10-20 05:17 修正:2016-10-20 08:28
韓国調査協会のセミナー「韓国人の政治意識の変化」発表 
キム・チュンソク韓国リサーチ理事 
「政治への不信感深いが、投票率は上昇… 
有権者の意志を満たすリーダーシップを確保すべき」
国会議員に支給される国会議員バッジ=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の民主主義は政治への不信感による「代表性の危機」に直面しているが、投票率の上昇傾向が続くなど、「参加の危機」はまだ到来していないと分析された。

 世論調査業界の集いである韓国調査協会は11日、ソウルのリバーサイドホテルで「韓国人の現在と未来」セミナーを開いた。キム・チュンソク韓国リサーチ理事は「韓国人の政治意識の変化」というテーマ発表で、この十数年間、政治・選挙関連の世論調査の結果を分析して、「有権者の政治に対する認識と実際の政治行為は互いに衝突する」と述べた。分析資料によると、国会と政党に対する信頼度は、下位グループの大企業や労組、警察への信頼度の半分にも満たないほどだ。2007年の大統領選挙から今年の4・13総選挙までの調査では、有権者10人に9人が「政治家の行動は選挙前後でかなり異なる」として、強い不信感を示した。政府への信頼度も、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均(2014年43%)よりかなり低い25%水準だ。

 しかし、このような不信感にもかかわらず、大統領選挙や総選挙・地方選挙など、全国単位の選挙の投票率は上がり続けている。投票率は2002年の70.8%から2007年には63%に大幅に下落したが、2012年には75.8%になった。総選挙は2008年の46.1%から2012年には54.2%、2016年には58%に、地方選挙の場合は、2006年の51.6%から2010年の54.5%に、2014年には56.8%に上昇を続けた。

 キム・チュンソク理事はその理由として、政党よりも候補の資質や公約を重視する有権者の投票行動を挙げた。選挙結果によって、実生活が変わった経験が蓄積されたことから、自分の利害に合った公約を掲げた候補に投票するということだ。また、特定の派閥が国政を左右する際には、選挙で審判を下し他の派閥に機会を与える」牽制と調整の心理」が働いていると分析した。進歩志向の政権で行われた全国選挙では主に保守側に、今年の4・13総選挙のように保守政権が長期執権した状況では、進歩の方向に票が集まった。勝敗の交差が繰り返されてきたということだ。キム理事は「有権者は、政治参加を通じて民主市民の権利を行使する資質と意志があるだけに、『代表性の危機』を克服するための政界のリーダーシップの確保が必要である」と強調した。

キム・ナムイル記者(お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.kr ))
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/766349.html 韓国語原文入力:2016-10-19 11:16
訳H.J(1237字)

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