「過去百年の歪んだ近代を乗り越える新たな百年を模索すべきだ」
「市民社会」を指向する各界の知識人を中心に、もはや限界に直面した韓国社会の根本問題を診断し、実践的な代案談論を企画・提示する社団法人「新たな百年」が、今月16日に創立報告大会を開き公式に発足する。
「新たな百年」の3つの軸となる研究、論評、フォーラムで、研究分野組織の「新たな百年研究院」の院長(非常勤)を担うキム・ドンチュン聖公会大教授は6日、「過去60余年間の近代化と財閥主導経済成長の結果、韓国社会は両極化と低成長のドロ沼に陥り、南北の既得権勢力の権力強化に政治的に利用されてきた70年の分断体制をこれ以上支えられない状況」にあるとし、新たな百年を始める理由をこのように要約した。
「私たちにとって過去の百年は強要された植民地的近代化、西欧追従、国家主義、物質万能と人間の尊厳性軽視の時代であった。私たちは半分国家の半分主権、南北対決、開発独裁型新自由主義を再検討し清算して、新しい社会、新しい政治と国家建設を模索しなければならない」
市民社会を指向する各界の知識人が連帯
16日「新たな百年」創立報告大会
研究、論評、フォーラムを三つの軸とし、ビジョンを摸索
研究員は専門家50人、4チームで構成
リサーチチーム、博士級少壮研究者チームも
「民主主義の土台を築くシンクタンクに」
したがって「新たな百年」という名前には、キム教授が「半分は成功、半分は失敗」と見る過去百年間の韓国近現代史で、その「失敗」を今後の百年で再び繰り返してはならないという決意と未来ビジョンが含まれている。「過去百年、私たちの近代は凄惨を極めたが、完全に失敗したとは見ない。成長の土台を確立することにある程度は成功したのも事実だ」
キム教授たちが考える「百年」の基点は、朝鮮半島近代の出発点であり全く異なる世界の可能性を広げると見られた1894年の東学革命だ。彼が言う「強要された植民地的近代化、西欧追従、国家主義、物質万能と人間の尊厳性軽視」の歪んだの過去の百年は、東学革命が日帝などの外勢介入と内部力量の不足で失敗したが、若し成功していたならば自主的で独立的な近代化と人間の尊厳性を重視する、現実とは全く異なる百年になりえた。「この集いが始まった2014年は、東学革命が起きた1894年甲午年が60年毎に巡ってくる甲午の二回目に当たる年、すなわち120年目になる年だった」。2年余りの準備期間を経てスタートする「新たな百年は、東学革命の失敗を繰り返さずに、すべての人が人間らしく生きる新しい世の中、人間こそが天という「人乃天」の人権と平等の異なる百年を打ち立てようとする人々の集いといえる。
「新たな百年」は、進歩的価値と談論を生産し拡散する民間シンクタンク「新たな百年研究院」、研究院で生産された談論を市民と共有するために毎月開く討論会を中心とする「百年フォーラム」、社会の懸案を診断し合理的代案を提示する論評活動を行うフォーラム「百年のための合意」を軸に、民主主義市民教育のための不定期プログラム「百年学堂」とで構成されている。事務室はソウル麻浦区桃花洞に「常勤者数人を置き、会議など簡単な行事を行える程度の空間」を用意した。
キム教授は新たな百年の執行機関であり中心となる委員会形式の「5人理事会」と10人の拡大運営理事会の核心人物の一人になる。彼が院長を務める研究院は、「40~50人の専門家で構成された民主主義、社会的経済、自営業研究、平和統一など4個の分科チームがあり、これとは別にアンケート調査などを行い分析するリサーチチームと30~40台の博士級少壮研究者チーム(一部重複)」も設ける。
彼は欧米の市民社会を支える機能の一つである民間シンクタンクの不在が韓国社会の重大な弱点だと指摘した。企業利益を代弁したり、実践談論が不在のアカデズム中心の大学研究所、選挙用短期分析と派閥利益中心の政党研究所などとは次元の異なる本物のNGOシンクタンクが必要という話だ。
市民団体のイルチョン共同体を作り、福祉国家ソサエティーに関与してきたイ・レジョン理事長を中心に、キム教授、進歩メディア「プレシアン」のパク・インギュ理事長、又石(ウソク)大のチェ・サンミョン教授、京郷新聞のイ・テグン論説主幹が理事会に参加する。
彼は「1980年代以後、たゆまず続いてきた民主化運動に力づけられ、経済成長と民主化を同時に達成した国として、また最もダイナミックな国として国際社会から賞賛を受けた韓国が、李明博、朴槿恵政権の8年を経る間に、一挙に後進国水準に後退する姿を目撃している」として「それほど韓国の社会民主化の土台が脆弱だったということ」と指摘した。新たな百年は、まさにその脆弱な韓国民主主義の土台を再構築する作業の先頭に立つという抱負を持っている。
「特定政党や政治勢力に対する支持や反対という現実政治への介入はしないだろう。制度政治の外側の政治、政党ではない政治をしようと考える。重要なことは市民社会の建設だ。30年続いた民主化運動のエネルギーが枯渇した以上、未来の政治が社会運動家を育てるだろう。責任をもって行動する知識人を育て、実践的知識の生産と流通の拠点になる大学外の大学になる。大衆と疎通する代案言論の役割も果たしたい」
彼は「国家、市場、社会の失敗と、過去百年のよじれた近代を乗り越えるためには、市民社会と市民政治を復元しなければならない」として、そのための戦略として輸出主導成長主義の発展戦略と新自由主義市場万能の発展経路を修正し、生態と社会の調和を考慮した成長と第4次産業革命時代の新たなパラダイムに符合する知識情報技術中心の韓国型社会的市場経済を建設しなければならないと語った。そして、これを可能にするには何よりも「社会力」(社会的な力)を育てなければならないという。「社会力とは、人々が自身の処した問題を集団的に解決できる力、普通の人が連帯を通じて強者に対抗できる力、そして自身の代表を政治的意思決定過程に参加させられる力をいう。社会力が枯渇すれば経済発展も期待できない」
今月16日午後7時30分から鍾閣(チョンガク)駅前ソウルグローバルセンター9階の国際会議場で開かれる創立報告大会では、キム教授の基調講演と5人の理事によるトークショー、ポップペラ(ポップ+オペラ)歌手ユリア・シンの歌、フロムコリア(FK)のドラム演奏が予定されている。