本文に移動

北朝鮮、寧辺で核兵器の原料となるプルトニウムの再処理を再開

登録:2016-08-17 22:22 修正:2016-08-18 07:05
北朝鮮原子力研究所が共同通信に表明 
2007年に稼動中止された核施設の再稼動を公式確認
米国北朝鮮専門メディア「38ノース」が今年4月15日に公開した北朝鮮寧辺核団地の再処理施設の周辺活動の様子。中央の建物が再処理廃棄物処理用と推定される「500番建物」であり、上の矢印が新しく作られた道路を指している/聯合ニュース

 北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)核団地で、核兵器の原料となるプルトニウムの抽出を始めたことを明らかにした。これまで米国政府などが寧辺核施設で使用済み核燃料の再処理作業が始まったと発表したことはあるが、北朝鮮当局がこれを公式確認したのは今回が初めてだ。

 共同通信は17日、北朝鮮原子力研究所が北朝鮮の核開発の象徴とされている寧辺核団地の5メガワット級の「黒鉛減速炉(原子炉)から取り出した使用済み核燃料を再処理した」と表明し、核兵器の製造に使われるプルトニウムの生産を再開したことを公式に認めたと報じた。

 同紙は(北朝鮮原子力研究所側が)核兵器の他の原料となる濃縮ウランについても「核武力建設と原子力発電に必要な濃縮ウランも、計画通り生産している。米国が核兵器で私たちを常時脅威している条件の下では、核実験を中止しない」意向を強調したと報じた。その他にも、北朝鮮側は核弾頭の小型化・軽量化・多種化を達成し、水爆を保有しているという従来の主張を繰り返し、電力難解消のために10メガワット級の軽水炉建設を新たに進めていることも明らかにした。共同通信は北朝鮮原子力研究所が取材に書面でこのように回答したと伝えた。

 寧辺核施設と関連しては、今年4月、米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」が使用済み核燃料の再処理が始まったことを示す兆候が見られると指摘した。国際原子力機関(IAEA)や米国務省も6月初め、「北朝鮮が使用済み核燃料を取り出して冷却した後、再処理施設でプルトニウムを抽出する過程を繰り返している」として、これを確認した。

 寧辺核団地は、北朝鮮の核開発を象徴する核心施設として、これまで国際社会の注目の的になってきた。特に5メガワット級の黒鉛減速炉などは6カ国協議の合意を通じて2007年7月に電撃的に稼動されたこともある。しかし、北朝鮮は3回目の核実験直後の2013年4月、核開発と経済開発を同時に推進するという「並進路線」を掲げて施設の正常な稼動を宣言し、今日に至っている。北朝鮮が寧辺でプルトニウム抽出を再開したことを公式化したのは、国際社会の圧迫にも屈することなく、核開発を放棄しないという意志を固めるためのものとみられる。

 寧辺の黒鉛減速炉には最大8000本の核燃料棒を搭載でき、これを再処理する場合、6キログラム程度のプルトニウムを抽出できるものと分析される。この施設が本格的に稼動されると、北朝鮮が保有する核弾頭の数が徐々に増えることになる。

 韓国外交部当局者は「報道された通り、北朝鮮が再処理を行ったのが事実なら、これは北朝鮮のすべての核プログラム関連活動を禁止した国連安全保障理事会決議を明白な違反」だとしたうえで、「政府は関係国及び国際機関と対応策を緊密に協議していく」と話した。この当局者は「北朝鮮がプルトニウムの追加確保のための再処理を追求してきたことはよく知られている事実だ。北朝鮮の再処理の可能性に対し、関係国は懸念を表明している」と付け加えた。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-08-17 20:20

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/757172.html 訳H.J

関連記事