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放水銃で重体の韓国農民の娘が国連人権委で発言

登録:2016-06-18 09:18 修正:2016-06-18 11:49
「放水銃使用は不当。謝罪、調査、正義を望む」
ペク・ナムギさんの娘、ペク民主化さん(中央)が17日、国連人権理事会に出席し、放水銃で倒れた父親の写真を掲げている。ペク・ナムギさんは昨年11月にソウル広場で行われた民衆総決起当時、警察が放った放水銃で重体に陥った= 国連ウェブテレビ画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

ペク民主化さん「韓国政府はデモを恣意的に禁止」
発言後に放水銃に倒れた父親の写真を見せる
韓国政府「警察はガイドラインに従って放水銃の使用」

 警察が放った放水銃で重体になった農民のペク・ナムギさん(69)の娘、ペク民主化(ミンジュファ)さん(30)が国連人権理事会に出席し、集会・デモに対する韓国政府の暴力的鎮圧行動を国際社会に告発した。

 ペク民主化さんは17日、スイスのジュネーブで開かれた第32回国連人権理事会に出席した。国連人権理事会は国連平和的集会及び結社の自由特別報告者のマイナ・キアイ氏、当事国、国家人権委、市民団体が順に発言する形で行われた。ペクさんは同日、韓国政府の発言が終わった後の夜8時半ごろ(現地時間午後1時半)、市民団体に代わって発言した。「私は69歳の農民、ペク・ナムギの娘です」と切り出したペクさんは、「韓国政府はデモを集会ではなく犯罪と規定して恣意的に禁止しています」と述べた。さらにペクさんは「政府は集会を組織したという理由で、全国民主労働組合総連盟のハン・サンギュン委員長に8年の刑を求刑しましたが、500人以上の集会参加者らを逮捕したり、彼らに召喚状を発行しました」、「警察は集会が始まる前から数百台のバスと数千人の警察を動員し、主要道路を阻止しデモ隊にカプサイシンなどの有害物質が混じった放水銃を放ちました」と指摘した。

 さらにペクさんは、父のペク・ナムギさんに対する警察の放水銃使用について、「いかなる謝罪も、捜査機関の調査も、正義もありませんでした」と述べ、父親が倒れてから半年が過ぎても検察捜査が遅々として進んでいないと批判した。ペクさんは「韓国政府は緻密に調査していると主張します。でも7カ月間、告訴人の私の姉を一度召喚しただけ」とし、「人が誰かを傷つけたなら、当然謝罪し、自分が犯した過ちを改めるために努力するはず。誰だってそうします」と訴えた。

 2分間の発言を終えたペクさんは「5秒だけ許可してもらえるなら、私の父に発言する機会を与えたい」と述べ、父親が放水銃を受けている写真を5秒間見せた。

 白氏の同日の発言は、韓国の外交当局の主張を事細かく反論したものだ。同日、マイナ・キアイ報告者は、1月に訪韓して韓国の集会結社の自由保障の実態について調査した結果を盛り込んだ21ページの報告書を発表し、車のバリケードや放水銃を使用する韓国政府の集会・デモの鎮圧に対して強い憂慮を表明した。

 これに対し韓国政府は同日、7ページの報告書を発表し、国連の報告書に反論した。マイナ・キアイ報告者の発言後に当事国に発言の機会が与えられると、外交部のユ・デジョン国際機構局長は「韓国の法律が国際人権基準に合致するよう、韓国政府はあらゆる努力を傾けてきた」、「特別報告者の勧告により、今年2月に集会および示威に関する法律を改正し、一つの場所に二つ以上の集会が開かれる可能性も開いた」と主張した。さらに「警察は2015年に、(集会で)暴力が発生した場合は厳格なガイドラインに従い、放水銃を4回だけ使用したことがある」、「ペク・ナムギさんの場合も検察で徹底的に捜査している。合法的参加者に対しては問題視しない」と述べた。

コ・ハンソル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-18 00:42

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/748709.html 訳Y.B

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