韓国社会で初めてされた同性夫婦の婚姻届をめぐり、2年続いた裁判所の判断は「不許可」だった。
ソウル西部地方裁判所のイ・テウォン裁判長は25日、映画監督のキムチョ・グァンスさん(51)と映画会社レインボーファクトリー代表のキム・スンファンさん(32)夫婦が、同姓間の結婚であるとの理由でソウル西大門(ソデムン)区庁が婚姻届を受理しなかったのは不当だとして起こした訴訟(家族関係登録、公務員の処分に対する不服申請)に対し、却下の決定をしたと明らかにした。
イ裁判長は「時代的、社会的、国際的に婚姻制度をめぐる種々の事情が変化したとしても、別途の立法措置がない現行法体制下では、法律解釈論だけで『同性間の結合』が婚姻に許容されるとはみなされない」と決定理由を説明した。家族関係登録法など現行法に規定された婚姻は「男女間の結合」を指すと解釈されるため、「当事者の性別と関係なく、二人の愛情をもとに一生の共同生活を目的とする結合」を婚姻に広げて解釈できないとの趣旨だ。しかし決定文で「司法の役割が少数者の権利保護に大きな比重がある点から、正当な法的婚姻と認められたい申請者の立場への共感が少なく状況が残念であることも事実」と付け加えた。
2013年9月、ソウルの清渓川に架かる広通橋前で、祝福する2000人が見守るなかで結婚式を挙げたキムチョ・グァンスさんとキム・スンファンさんは、同年12月10日の世界人権宣言記念日に合わせて西大門区役所に婚姻申告書を提出したが、区役所は「民法上、同性婚は婚姻として認められない」として受け付けなかった。これに対し二人と「性的少数者の家族構成権保障のためのネットワーク」は、翌年5月21日の夫婦の日に西部地裁に区庁の処分を取り消しを求めて訴訟を起こした。
韓国語原文入力:2016-05-25 21:42