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加湿器殺菌剤事件、5歳の息子を失った父が英国本社に抗議の訪問

登録:2016-05-04 22:00 修正:2016-05-05 06:47
「イギリス国民に君の死を知らせる」 
加湿器殺菌剤被害者遺族のキム・ドクチョンさんが4日午前、仁川空港出国場でオキシー英国本社に抗議するために出国する前に記者会見を開いた後、パスポートとキャリーバックをまとめながら、つらい表情を浮かべている=仁川空港/シン・ソヨウン記者//ハンギョレ新聞社

7年前に5歳の息子を失ったキム・ドクチョンさん 
オキシー英国本社に2回目の抗議訪問 
英国とデンマークの検察に告発状を提出する予定 
「必ず公式的に謝罪してもらう」

 「今回が最後だと思って英国に行きます。英国で尊敬される企業の行動を英国国民も知るべきだし、公式に謝罪してもらいます」

 「父の名」でキム・ドクチョンさん(40)が語った。

 7年前に加湿器殺菌剤で息子を失ったキムさんは4日午前、オキシー・レキット・ベンキーザー本社がある英国に向けて出国した。同日午前、キムさんとチェ・イェヨン環境保健市民センター所長は仁川国際空港で記者会見を開き、「英国とデンマークで加湿器殺菌剤の製造あるいは販売に責任のある企業を訪問して抗議し、各国の政府と検察に問題提起をしたい」と明らかにした。

 慶尚北道漆谷(チルゴク)消防署の救急隊員として働いているキムさんは、2009年5月7日に息子のスンジュン君(当時5歳)を失った。 診断された病名は「原因不明の肺疾患」だった。 2年後、政府は、原因不明の肺疾患で死亡した出産直後の母親たちの病気が、加湿器殺菌剤によって誘発されたものと見られると発表した。2014年にはスンジュン君が加湿器殺菌剤で死亡したと判定された。キムさんが英国を訪れるのは、今回が2回目だ。昨年5月にもチェ所長と共にレキット・ベンキーザーの本社前で抗議デモを行った。キムさんは「最初は門前払いされたが、3日目になってようやく本社の社員たちに会うことができた」と語った。

 彼らは英国に到着したら、まず5日(現地時間)、ロンドンで開催されるレキット・ベンキーザーの年次株主総会場を訪れる予定だ。韓国での加湿器殺菌剤被害事実と、オキシーの前・現職役員および英国本社の現在の取締役会が103人の死に責任があるという点などを、株主たちに知らせ、本社レベルで責任を負うことを求める計画だ。これに先立ち、今月2日にソウル汝矣島(ヨイド)で開かれたオキシー・レキット・ベンキーザー社の記者会見では、韓国法人代表のアタ・サフダル代表が謝罪した。

 レキット・ベンキーザー社は3日、自社のホームページのニュース欄に、2日にソウルで開かれた記者会見で発表した内容と同様の謝罪文を掲載した。謝罪文には「オキシー・レキット・ベンキーザーとレキット・ベンキーザーは韓国で起きた加湿器殺菌剤の悲劇のすべての犠牲者に心からの謝罪を伝えた」とした上で、「被害者とその家族のために正しいことをする用意ができていることを表明する」と記されている。キムさんは、レキット・ベンキーザー社側の記者会見の発表内容とホームページに掲載された謝罪文について、「ご存知のように、責任逃れしようとする内容しかない謝罪ではありませんか」としながら、「そのような謝罪を受け入れるつもりはない」と一蹴した。

パク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-04 19:06

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/742508.html 訳H.J

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