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済州島で1カ月暮らすレントハウスが人気急上昇

登録:2016-04-12 00:20 修正:2016-04-17 07:27
済州レントハウス イラスト//ハンギョレ新聞社

 会社員のキムさんは来月待ちに待った1カ月の休暇を、夢に描いた済州島(チェジュド)で過ごす予定だ。 彼は済州島に2~3日の日程で訪れるたび、有名観光地だけを見て巡る旅に物足りなさを感じてきた。 最近知人から、清潔で安全だし、留守にする時は清掃などの管理サービスも受けられ、1カ月間程度の滞在にぴったりの西帰浦(ソギポ)近隣の宿泊施設を紹介され、今回の旅行を決心したという。 キムさんは「オルレキル(散策道)も歩いてみる予定だが、ほとんどの時間は宿泊先の周辺や西帰浦一帯を散歩して単にサービス施設を利用して静かに休んでくる計画」と話した。

物足りなさの残る短期旅行はもうしない
1カ月以上のヒーリング滞在が人気
有名観光地中心の旅行から脱皮
イ・ヒョリのように現地人生活体験も
ありきたりのホテルやコンドミニアムではなく
レントハウス、タウンハウス建設ブーム
シェアハウスも活性化展望

 知らない地域、新しい環境に行き、そこで生活する新しい旅行方式「1カ月暮らし」が済州島で人気を集めている。 「1カ月暮らし」は見て食べて楽しむために遊びに行く“観光”ではなく、特定のところで1カ月以上滞在しヒーリングを追求する旅行をいう。 有名観光地を巡って、写真を撮って、美味しい店を訪ね歩く旅行を跳び越え、済州島ならではの自然と現地の人々の生活風習を近くで享受し接してみることが「1カ月暮らし」の魅力なわけだ。 最近では「1カ月暮らし」旅行客のための宿泊施設予約ホームページやブログも多数登場した。

済州西帰浦市にできたレントハウス「パウゼイン済州」の外観 //ハンギョレ新聞社

 済州島での「1カ月暮らし」の人気は、済州が持つ天恵の自然環境に加えて、新しいヒーリングに対する欲求が結びついて生まれた。 2013年結婚と同時に済州に移住した歌手のイ・ヒョリさんが見せてくれた「キンフォーク(kinfolk)・ライフスタイル」も人々の好奇心をかき立てるのに一役買った。 キンフォーク・ライフは、家庭菜園を耕し収穫した農産物を隣人やお客さんと分け合って食べる素朴な暮らしを追求する生活様式を指し、スローで余裕ある自然の中の素朴な生活を指向する人々の傾向をいう。 アメリカはポートランドのライフスタイル雑誌「kinfolk」に由来した言葉で、自然親和的で健康的な生活様式を追求する社会現象をも意味する。

 済州島で広がっている「1カ月暮らし」の人気は、現地の不動産市場にも少なからぬ影響を及ぼしている。 先ず長期居住型旅行客がホテルやコンドミニアムより少ない費用でゆっくり滞在できるよう設計された「レントハウス」事業が急速に活気を帯びている。 国際的観光地に相応しくホテルやリゾートなどの休養施設は多いが、「1カ月暮らし」需要層など長期滞在型旅行客のための適合型宿泊施設は多くなかったためだ。

 先月、西帰浦市で開業した「パウゼイン済州」は、旅行客の「1カ月暮らし」需要を狙って設計された新概念レントハウスだ。 パウゼは専用面積19~49平方メートルの都市型生活住宅376世帯で作られたが、当初分譲時に契約者から賃貸住宅として委託運営する同意を求めた。 済州島では初めてペット同伴が可能な専用棟が別に用意され、プール、サウナ、バーベキュー場、レストランなどの便宜施設も備えている。 旅行客は住宅のタイプに応じて月119万~357万ウォン(11~32万円)の賃貸料で利用できる。 最も小さな1~2人用住宅は一日4万ウォン(約3800円)未満の費用で済む。

「パウゼイン済州」の室内 //ハンギョレ新聞社

 家族旅行客がセカンドハウスや共有型別荘としていつでも使えるタウンハウスも最近供給が相次いでいる。 済州市旧左邑下道里にできる「ハドヒルツ」は専用面積68~84平方メートルの一戸建て住宅48軒を団地型に作ったタウンハウスで、契約者が別荘として使い、使わない時には賃貸できるようにした。 コーヒーショップ、レストラン、ギャラリー、ゲストハウス、屋外プール、スパ施設など多様な便宜施設を備えている。 入居を控えた済州市朝天邑の「海東グリーンアンドゴールド」は契約者が持分を共有し会員型別荘として活用できるように考案されたリゾート住居団地だ。 専用面積34~84平方メートル96世帯で、ワンルーム型、メゾネット型、テラス型など多様な設計を適用した。 西帰浦市にも土坪洞の「デイズヒル」(33世帯)、広坪里の「ハニーカウンティ」など分譲中のタウンハウスが幾つもある。 ハニーカウンティの場合、専用面積50平方メートル前後の週末用小型別荘から中大型の高級戸建て住宅まで入居者が好みに応じて家を建てられるようにした。

 グランピング(glamourous+campingの合成語、便宜施設とキャンプ道具が備わった野外キャンプ)を楽しむ旅行客が増えるのに合わせてグランピングヴィレッジを作り分譲する異色団地も登場した。 済州市涯月邑にある「エリシウム・ヴィレッジ」は168~331平方メートル大の土地に専用面積40平方メートルの平屋グランピング施設を作り、屋外プール、公演場、体育施設、営農体験施設などを備えオールシーズン旅行客がグランピングを楽しめるようにした。 その他に契約者にホテルの客室を分譲し、その運営収益を提供する「分譲型ホテル」事業も登場した。 西帰浦市南元邑に分譲中の「コープシティホテル・ハーバービュー」は306室(専用21.7平方メートル)で、竣工後に宿泊施設専門運営管理企業がホテルとして運用する予定だ。

 今後は済州島の一般住宅も「1カ月暮らし」宿泊先の一軸を担う展望だ。 先月政府が国会に提出した「地域戦略産業育成のための規制緩和ゾーンの指定と運営に関する特別法案」(規制緩和ゾーン特別法)により今年下半期からは韓国にも「共有民宿業」制度が導入される予定だ。 共有民宿業とは、家主が市郡区に登録さえすれば延面積230平方メートル(70坪)未満の住宅全体、または余っている部屋を年間120日まで内外国人に宿泊施設として提供できるよう許容する制度だ。 最近「AirBnB(Bed & Breakfast)」のようなモバイルプラットホームを通じて住宅を宿泊用に提供する宿泊共有サービスが世界的に拡散しているが、韓国にはこれと関連した法的根拠がなかったが今回作られた。 政府は江原道、釜山、済州の3カ所を規制緩和ゾーンに指定して今年下半期に試験導入する計画だ。 営業可能日数を年間120日に制限したのは、常時にすれば既存の宿泊業者との摩擦を起こすことを考慮したものだ。 ただし共有民宿業が可能な住宅は、戸建て多世帯、アパート、テラス型多世帯住宅など居住用住宅だけが対象で、オフィステルのような業務施設は除外される。 済州島の場合、既存の農漁村住宅を一般の人が安い価格で借り自宅のように過ごせる道が開かれるわけだ。

 現在、済州島で「1カ月暮らし」にかかる費用は宿泊施設や附帯施設の水準により大きな差がある。 利用者が最も多い民宿ペンションは通常月150~200万ウォン(14~19万円)程度の費用がかかるが、規模が大きく便宜施設が充実したペンションになるほど宿泊費が高くなる。 タウンハウス戸建ての場合、住宅の大きさにより100万~300万ウォン(9~28万円)まで多様な選択が可能で、規模の小さい共同住宅宿泊施設は月100万ウォン(約9万円)以下でも1カ月の宿泊が可能だ。 最近では農家住宅をリモデリングして「1カ月暮らし」に提供する事例も相次いでいる。 閑静な海辺のオルレキルで有名な杏源里のある「女性専用シェアハウス」は、1人当りの月間利用料が49万5000ウォン(4万7千円)で、3人が別々の部屋を使い居間、台所、トイレは共同で使えるようにした。

 「1カ月暮らし」の流行で、済州島で分譲される戸建て住宅タウンハウスや共同住宅などに対する一般の関心も最近急速に高まった。 普段は賃貸収益を受け取り、必要な時には宿泊も可能な方式から、最初から別荘のように使えるタウンハウスなど、一般の人のための多様な分譲型商品があふれているためだ。 しかし、最近分譲が活発なタウンハウスの場合、専用面積50~60平方メートルの小型住宅でも分譲価格が最低3億ウォン(約2800万円)台に達するなど高価なところが多く、消費者の注意が必要というのが専門家の指摘だ。 また、一定期間の賃貸収益を保障して賃貸を委託する契約者を募集する企業も多いが、後になって空室率が高まるなど事業が円滑でなくなれば約束した賃貸収益の提供が難しくなりうる点にも留意しなければならない。 NH投資証券のキム・ギュジョン不動産研究委員は「業者の予想に反して賃貸運営が上手く行かなくとも約束した賃貸収益を契約者が受け取れるか調べなければならない」と助言した。

済州/チェ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/739093.html 韓国語原文入力:2016-04-10 20:47
訳J.S(3893字)

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