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[インタビュー]慰安婦合意を見て政治の重要性に気づきました

登録:2016-03-18 00:37 修正:2016-03-18 06:27
若者が語る第20代総選挙 
キム・セム平和蝶ネットワーク代表
キム・セム平和蝶ネットワーク代表=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 「20代は未来について真剣に悩む時期です。もっと正しく、恥ずかしくないようにありたいと思っています。韓日(政府間)の日本軍『慰安婦』合意は、そのような期待に反した決定だったため、多くの学生たちが反対していると思います」

 今月16日、ソウル鍾路(チョンノ)区の駐韓日本大使館前の少女像付近で会った、平和蝶ネットワークのキム・セム代表(24、淑明女子大学韓国語文学部)は、昨年12月28日に発表された日本軍「慰安婦」の合意の無効を主張している。 4月13日に予定されている総選挙を控え、10校以上の大学総学生会で組織された「大学生・青年共同行動ネットワーク」や「韓日間の日本軍『慰安婦』合意の無効のための大学生対策委員会」、「青年革命」などが連帯し、「2030有権者行動推進委員会」を発足させた。彼らは「韓日合意無効宣言」を20代国会の第1号法案にすることを求める予定だ。

ハルモニと市民たちが20年間戦ってきた問題 
政府が勝手に決めるのは民主主義ではない 
議員たちも慰安婦問題めぐる拙速合意を防ぐべきだった 
候補者に「無効法案」の採択に対する賛否を問う

 キム氏は、合意直後の昨年12月31日から今月1日までの62日間、市民約1000人と共に、「少女像の守り役」として真冬にもかかわらず野宿をした。実際に野宿を始める時は「私たちが果たして力になれるのか」と懸念していたという。凍りついた路上で冷たい風に吹かれ、随分体を悪くした。しかし、市民の応援に支えられ、この行動が間違っていないという確信が大きくなった。「ハルモニ(お婆さん)たちと市民が20年以上戦ってきた問題を政府がきちんとした説明もなく決めたのは、民主主義の問題」であることに気付いた時間でもあった。座り込みを終えて大学に戻ってからも、合意の不当性を知らせる活動を続けることにしたのも、そのためだ。

 キム氏は、2014年初め、日本軍「慰安婦」問題に共感する全国の大学生の集まりである「平和蝶ネットワーク」(現在の会員数450人)を組織し、2年間水曜デモに参加し続けてきた。キム氏は、ハルモニたちに会って、ハルモニたちが単なる被害者ではなく「人権と平和のために長い間戦ってきた、意志の強い素晴らしい方たち」だと心から感じた。

 去年の冬、野宿座込み場でキム氏は、国民を代表する国会議員の役割と責任についてもう一度考えるようになった。彼女は当時、野宿していた学生たちを訪ね、「何か手伝うことはないのか」と訊く国会議員たちに失望をしたと話した。「国会で自分たちにできることをやるべきです。両国政府による拙速な合意を止めるべきだったのではありませんか。政治に携わる人たちが座込み場に来るだけでは、何の役にも立ちません。そのような状況を経験して『誰が政治をするのかが重要だ』と思うようになりました」

 平和蝶ネットワークは、総選挙前まで挺身隊問題対策協議会と共に第20代総選挙に出馬した19代国会議員に対し「韓日合意無効法案」を採択するかどうかを問うことにした。 19日には、ソウル市庁広場で1500人が参加する、日本軍慰安婦被害者ハルモニたちを助けるための寄付マラソンも開催する。政界に代わって、公認審査報道の中で行方不明になった政策選挙と慰安婦被害者ハルモニたちを守る役割を、学生たちが果たしている。

 キム氏は「若者は政治に無関心である」と言われることについて、「そうではない」と断言した。「若者たちに『利己的だ』『スペックを身に着けること以外には興味がない』と言う人たちがいますが、その意見は正当ではないと思います。学校やキャンペーンで出会った若者たちは、本当に忙しいそうでした。だけど、(政治や社会問題について)皆怒りと共感する心を持っています。若者たちが政治や社会にもっと積極的に関心をもつこと自体を遮断したのは、この社会ではありませんか?」

チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-17 21:38

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/735604.html 訳H.J

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