「核武力」確保を認めさせる手順
再進入に必要な放熱繊維を作ったと主張
韓米政府・大多数の専門家は
「大陸間弾道ミサイルの再進入技術
全て確保したとは見難い」
中距離級技術は確保した可能性
核物質なしでの核弾頭試験実施の展望
弾道ロケット試験「韓国も対象」圧迫
国際社会の北朝鮮制裁が始まってから、北朝鮮労働党の金正恩(キムジョンウン)第1書記の「核能力証明作業」が連日続いている。 北朝鮮メディアの報道時点を基準として、4日「新型大口径ロケット砲」試験射撃、9日「軽量化・標準化・規格化を実現した核弾と弾道ロケット」公開に続き、11日の弾道ロケット試験発射、15日の核弾頭の大気圏再進入技術確保主張と続いた。 北朝鮮の核技術確保主張に対する国際社会の疑問に順に答えている恰好だ。 これはかつて米国、ソ連、中国が核兵器開発過程で進めた手順でもある。
形式面から見れば、金第1書記の言うように「核弾頭爆発試験と核弾頭の装着が可能な種々の弾道ロケット試験発射」が成功すれば、核武力の確保を終えられる。 国際社会と韓国政府の「強力な報復」が成功を収めるとは見がたい状況だ。
核弾頭を積んだ大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦で使えようとするには、大気圏外に出て行き再び入ってくる「再進入技術」が核心になる。 この日、金第1書記が現地指導した「模擬試験」は、核と起爆装置を入れた弾頭が大気圏進入時の熱に耐えられるかを調べるという趣旨だった。労働新聞は「数年間の苦労に満ちた研究事業」を経て「ロケットの製作に使われる熱保護材料を研究開発し国産化に成功した」と主張した。 同紙に掲載された写真の弾頭と見られる物体を幾重にも覆っている物質は放熱繊維と推定される。
北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの再進入技術を全て確保したとは見がたいというのが、韓米政府と大多数の専門家の見解だ。 韓国科学技術政策研究院のイ・チュングン研究委員は「再進入体の放熱技術は確保したのではないかと見る」としつつも「衝撃や振動から起爆装置を保護する技術、姿勢制御と誘導技術など大陸間弾道ミサイルの再進入技術を全て確保したと見る根拠はない」と話した。 軍事専門家のキム・ドンヨプ慶南大教授は「ムスダンミサイルなど中距離級の再進入技術は確保した可能性がある。 大陸間弾道ミサイルは再進入水準には至っていない可能性が高い」と話した。 韓国国防部のムン・サンギュン報道官は、北朝鮮の弾道ミサイル再進入技術確保主張は「一方的な主張に過ぎない」とし「多様な情報を基礎に、北朝鮮はまだ(大陸間弾道ミサイルの)再進入技術は確保できていないと判断している」と明らかにした。
韓国政府と専門家らは金第1書記が公言した「核弾頭爆発試験」は5回目の核実験とは思えない指摘する。 キム・ドンヨプ教授は「核物質を入れずとも弾頭が起爆装置をよく保護できるか、起爆装置が期待通りに爆発するかさえ確認すれば良い」と説明した。 またイ・チュングン研究委員も「核物質なしで起爆装置だけを弾頭に入れて爆発させる実験を行う可能性が高い。 中国もそのようにした」と話した。 ムン・サンギュン報道官は「核弾頭ミサイルの開発過程で核弾頭爆発試験は必要な過程であると理解している。 追加核実験と断定的に言うことはできない」と明らかにした。
「核弾頭装着が可能な種々の弾道ロケット試験発射」と関連しては、北朝鮮の核戦略の微妙な変化が読めるという指摘がある。 キム・ドンヨプ教授は「北朝鮮が核兵器の相手としては常に米国を名指ししてきたが、最近の弾道ロケット試験発射や大口径ロケット砲試験射撃などでは打撃対象に韓国地域なども言及した。 『種々の弾道ロケット』とは、米国本土を狙った大陸間弾道ミサイルの他に多様な短距離・中距離ミサイル試験発射まで念頭に置いた表現と見られる」と解説した。