「積極的に乗り出してほしい」国会を圧迫
国家情報院「北朝鮮のハッキング危険」援護射撃
8日に緊急サイバー対策会議を開催
国家情報院にポータルの指揮・人材要請権
野党と市民社会、強く反発
朴槿恵(パククネ)大統領は7日、「サイバーテロが発生した場合、経済的に大きな被害だけでなく、社会の混乱と国家安全保障を脅かす深刻な状況が発生する可能性がある」と述べ、「国家サイバーテロ防止などに関する法律」(サイバーテロ防止法)の処理を国会に求めた。今月2日、激しい反発の中で可決された「国民保護と公共の安全のためのテロ防止法案」(テロ防止法)に続き、テロ防止法と“双子の法案”となるサイバーテロ防止法も推し進める意向を明らかにした。国家情報院も「北朝鮮がサイバーテロを仕掛ける可能性がこれまで以上に高く、現実化している」とし、サイバーテロ防止法の制定に向けての“雰囲気づくり”に乗り出した。
朴大統領は同日、大統領府で主宰した首席秘書官会議で「サイバー脅威を早期に識別し対処できる、政府と民間の情報共有システムの構築が何より重要だが、これを裏付ける法律的根拠がない」とした上で、「専門家が口々にサイバーテロ防止法を早急に処理すべき法案だと言っているのに、2006年に最初に発議された法案が、10年間も国会を通過できずにいる」と批判した。朴大統領はさらに「政府と与党、大統領府が協力し、現在国会に係留中のサイバーテロ防止法が可決できるように、積極的に乗り出してもらいたい」と要請した。
大統領府とセヌリ党が進めているサイバーテロ防止法は、国家情報院が、ポータルやメッセンジャーなどの民間情報通信サービス提供者を日常的に指揮し、人員及び装備の派遣を要請できるなど、強大な権限を持つことを骨子とする。市民社会団体は、特に法案に明示された「脆弱点の報告義務」について懸念している。同法が施行されれば、国家情報院はサイバーテロ情報と共に、情報通信ネットワークやソフトウェアの脆弱点などの情報に関する報告を受けることになる。サイバーテロが起こらなくても、国家情報院が「サイバーテロを防止する」という口実で、インターネットを常時監視できるようになるという主張だ。
野党と市民社会団体は、スマートフォンを利用する国民のほとんどが国家情報院の「監視」にさらされるとして、懸念を示している。セヌリ党は当初、鄭義和(チョンウィファ)国会議長にテロ防止法とサイバーテロ防止法を同時に職権上程することを要求したが、鄭議長がテロ防止法だけ職権上程している。大統領府と与党が今後サイバーテロ防止法の通過に向け、全面的な圧迫に乗り出すとみられるのも、そのためだ。国家情報院もサイバーテロの危険性を知らせるのに積極的に乗り出している。国家情報院は同日、報道資料を出して「北朝鮮が4回目の核実験後、国の基盤施設のインターネットネットワークやスマートフォンなどに対するハッキング攻撃を通じて、私たち(韓国)のサイバースペースを脅かしている」として、8日に緊急国家サイバー安全対策会議を開くと発表した。チェ・ジョンイル国家情報院3次長が主管する今回の会議には、国務調整室、未来創造科学部、国防部、金融委員会など、14の省庁の室・局長級関係者が参加する。
韓国語原文入力: 2016-03-07 19:36