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国家情報院が15年かけたテロ防止法が可決

登録:2016-03-03 05:30 修正:2016-03-03 07:16
2日夜、国会本会議でセヌリ党が出したテロ防止法に対する表決が始まるとすぐ野党議員が退場している。テロ防止法案はセヌリ党議員156人の賛成で通過した。野党では「国民の党」キム・ヨンファン議員が唯一表決に参加し、反対票を投じた=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

「共に民主党」のイ・ジョンゴル院内代表のフィリバスター最後に 
セヌリ党、単独処理 
選挙法、北朝鮮人権法も可決

 9日間続いた野党のフィリバスター(無制限討論)にも、政府・与党はビクともしなかった。国家情報院に「テロ危険人物」に対する情報を収集し、調査、追跡など、前例のない強大な権限を与える「国民保護と公共の安全のためのテロ防止法」(テロ防止法)制定案は、190時間を超える史上初のフィリバスターをくぐり抜け、国会の関門を通過した。「怪物国家情報院誕生」が現実味を帯びてくる懸念も高まっている。

 国会は2日夜の本会議で、「共に民主党」のイ・ジョンゴル院内代表を最後に野党のフィリバスターが終了したことを受け、セヌリ党議員156人と「国民の党」の議員1人(キム・ヨンファン)など157人が参加した中、テロ防止法制定案を可決した。セヌリ党議員全員が賛成票を投じ、キム・ヨンファン議員だけが反対票を投じた。残りの野党議員はすべて採決に参加しなかった。

 テロ防止法は、金大中(キムデジュン)政権時代の2001年11月、国家情報院が主導し、初めて立法予告されてから、長きにわたって間議論されてきたにもかかわらず、国会の敷居を越えられなかったが、14年4カ月ぶりに法制化された。制定されたテロ防止法の骨子は、対テロ活動に関連する実務を調整する対テロセンターを首相傘下に設け、国家情報院がテロ危険人物に対する金融情報、個人情報(過去、信念、健康などの敏感な情報を含む)、通信記録、位置情報などを収集できるようにしたことだ。また、テロの危険人物の調査と追跡する権限も国家情報院に与えられる。これまで検察や警察などの捜査機関が保有してきた権限さえも、国家情報院が裁判所の令状と書面要請などの法的手続きを経れば、直接行使できるようにしたのだ。

 この法律に規定された「テロ危険人物」の定義(「テロ組織の構成員であるか、またはテロ組織の宣伝、テロ資金の募金・寄付、その他のテロ予備・陰謀・宣伝・扇動活動を行ったり、行ったと疑える理由がある者」)をめぐり、野党と市民社会は、「政府への批判を塞ぐのに恣意的に悪用されるだろう」と反対してきた。

 与野党はこの日の本会議で、4・13総選挙に適用される選挙区確定案を盛り込んだ公職選挙法改正案と北朝鮮人権法などを処理した。選挙区が法制化されたことで、与野党は、公認作業を加速させるなど、本格的な総選挙体制に入った。

ファン・ジュンボム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-02 19:20

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/732995.html?_fr=mt1 訳HJ

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