北朝鮮が7日に始まった韓米キーリゾルブ・イーグル訓練と関連し、特に激しく反発している内容は「斬首作戦」だ。最近、一部メディアが今回の韓米訓練に斬首作戦の訓練が含まれる見込みだと報じたことへの反応と思われる。
斬首作戦は文字通り「敵指導部を除去する作戦」を指す。米軍の作戦概念「decapitation strike(strategy)」を翻訳したものだ。米軍は過去、精密・先端兵器を動員し、イラクのサダム・フセインやリビアのカダフィなど、反米政権の最高権力者を除去する作戦を展開したことがある。ある意味では、北朝鮮が1968年に起こした1・21大統領府襲撃事件も、初歩的な斬首作戦と言える。韓米両国軍が斬首作戦を訓練することになれば、北朝鮮の「最高尊厳」である金正恩(キムジョンウン)労働党第1書記が標的にならざるを得ないため、北朝鮮軍としては容認しがたいことかもしれない。
国内で斬首作戦が本格的に紹介されたのは、2000年代末頃だった。当時、陸軍大佐出身のクォン・テヨン博士などが軍事技術革新の一環として、斬首作戦を主張した。軍では現役の陸軍准将のチョ・サンホ国防部軍改革推進官が昨年8月、学術セミナーで北朝鮮に対する非対称戦略として、心理戦や情報優位性、精密打撃能力などと共に、斬首作戦を取り上げたことで波紋が広がった。チョ軍改革推進官は当時、「学術的に議論されている概念を例に挙げただけだ。軍にこのような作戦があるという意味ではない」と釈明した。
こうした事情があるにもかかわらず、斬首作戦が再び議論されているのは、最近の「北朝鮮の核攻撃の兆候がある場合は先制打撃する」という作戦概念が、今回の訓練で実施されることが分かったからだ。先制打撃対象に、核・ミサイル基地だけでなく、核攻撃の命令権者である金第1書記の執務室なども含まれているのではないかということだ。今回の訓練に米第1空輸特戦団と米75レンジャー連隊所属特殊戦兵力が参加することも、波紋を広げる要因になっている。特殊戦部隊の任務には、「敵要人の暗殺」などが含まれるため、斬首作戦訓練の可能性も排除できないということだ。
国防部当局者は7日、ブリーフィングで「国防部の作戦概念に斬首作戦という用語はない」と述べ、事実上、関連報道内容を否定した。その一方で「今回の訓練に斬首作戦が含まれるのか」という質問には「訓練内容については、答えられない」として言及を控えた。肯定も否定もしてないことで“あいまいさ”を残している。
韓国語原文入力:2016-03-07 21:06