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南北の軍通信線すべて断絶…偶発衝突でも戦争拡大リスク高まる

登録:2016-02-12 23:18 修正:2016-02-13 07:40
開城工業団地、軍事区域宣言の波紋
北朝鮮が開城工業団地地域を軍事統制区域に宣言した翌日の12日午前、厚い霧に覆われた京畿道坡州市の統一大橋南端で警戒に当たる軍人がバリケードを移している=坡州/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 西部戦線で軍事的緩衝地帯の役割をしてきた開城(ケソン)工業団地の閉鎖により、南北軍事力の衝突可能性が高まったが、南北を結ぶすべての直通線が遮断され、偶発衝突に対する統制力が急激に弱まった。 部分的軍事衝突が戦争の拡大に至る危険も一層高まった。

 韓国国防部当局者は12日、「北朝鮮が開城工業団地地域を軍事統制区域として宣言したことに注目している」として「北朝鮮軍の特異な動向はまだないが、北朝鮮軍の再配備の可能性などすべての状況に万全の備えをしている」と話した。

 開城地域はソウル外郭からわずか40キロメートル余りしか離れておらず、軍事的要衝地に挙げられてきた。「開城―ムン山(ムンはさんずいに文)―ソウル軸線」は北朝鮮が最短時間でソウルを突破できる進撃路だ。 北朝鮮は2000年代初期、開城工業団地ができる前までこの地域を軍事的要衝地と認識し、2軍団と6師団、64師団、62砲兵旅団などを配置していた。

 これらの兵力は当時開城工業団地ができたため後方に10キロメートル余り退いたという。 ムン・サンギュン国防部報道官は「北朝鮮が6師団配下の4個大隊の配置を調整し、2個大隊を警備大隊として郊外地域の警備に当たらせた」として「全体的に2個大隊が調整されたと理解する」と話した。 韓国側の立場で見れば、開城工業団地が建設されたことにより有事の際の北朝鮮の主要な奇襲南侵通路を塞ぐ防波堤ができたことを意味していた。 北朝鮮軍部は当時、この地域の軍事的重要性のために開城工業団地の建設に反対したが、金正日(キムジョンイル)国防委員長が強力に押し切って推進されたという。 実際、2002年4月に当時のイム・ドンウォン大統領特使が金正日国防委員長に会い、京義(キョンウィ)線の開通を説得すると、金委員長が「軍部が言うことを聞かない」と冗談めかして話しもした。

 北朝鮮が今回開城工業団地を軍事統制区域に宣言し、軍兵力を再び配備するかは不透明だ。 すでに建物が存在するため軍兵力が駐留するのは容易でない。 また、北朝鮮が開城工業団地の資産を“没収”ではなく“凍結”と宣言したことを見れば、直ちに開城工業団地を軍事基地にするよりは、状況をしばらく見守るという意味に解釈する余地がある。

 しかし、南北の対決構図が長期化すれば、今後も北朝鮮が軍事的要衝地である開城工業団地をそのまま空けておきはしないだろうという見方がある。韓国に対する軍事的圧迫次元でも工業団地地域に軍兵力を再び配備する可能性があるということだ。 キム・ジョンデ正義党国防改革企画団長は「6・25(朝鮮戦争)時に開城が不用意に突破され、ソウルが開戦から3日後に陥落した」として「6師団機甲部隊と砲兵部隊が“10キロメートルの空白”を埋め再び前線陣地に配置されれば、韓国軍も北朝鮮軍と直接対峙しなければならないなど大きな負担になる」と話した。

 問題は南北を結ぶ軍の通信線を含む直通電話が全て遮断され、南北間の軍事緊張高揚で偶発衝突の危険も高まったが、さらにそれを制御する手段までなくなったことだ。 ムン・サンギュン国防部報道官は「軍通信線は東海(トンヘ)地域の直通線が2013年に山火事で断絶し、残った西海(ソヘ)地域の通信線は今回断絶した」として「北朝鮮が板門店チャンネルも切ると言ったので南北間には直通線が一つも残らなくなった」と話した。 直通電話等を通じて直ちに相手方の真意を把握することが難しくなり、偶発的、局地的な衝突が戦争まで拡大される可能性もそれだけ高まったと言える。 開城工業団地の閉鎖にともなう経済的損失以外に、目に見えない安保的損失も侮れない。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/730150.html 韓国語原文入力:2016-02-12 19:26
訳J.S(1698字)

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