登録 : 2016.01.31 23:53 修正 : 2016.02.01 17:41

朝鮮半島のTHAAD配備問題

北朝鮮の核実験後に公論化急進展
WSJ「韓米詰めの交渉」と報道
韓国国防部は公式に否定したが
以前とは異なり「THAAD配備は安保に役立つ」

中国「代価を払う準備が必要」と露骨な警告
韓中関係悪化すれば経済的打撃は不可避

THAADのTPY2レーダー探知距離//ハンギョレ新聞社
 米国の地上配備型ミサイル迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD<サード>)の朝鮮半島配備問題が、北朝鮮の4回目の核実験後に再び大きく取り沙汰され、北東アジア情勢の荒波を予告している。

 今回の論議も、表面的にはこれまで何度も見てきた米国側の“マッチ”と韓国政府の“ポンプ”の様相と特に変わりはない。 今回は米国のマスコミが前面に出た。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は28日、「韓国と米国がTHAAD配備を巡る最終交渉をしていて、早ければ来週か再来週にも発表されるだろう」と報道した。 すると韓国国防部のキム・ミンソク報道官が報道内容を公式に否定した。 ところがキム報道官は「在韓米軍にTHAADが配備されれば韓国の安保に役立つだろう」と蛇足を付け加えた。

 以前とは変わった点がある。 何よりもそのタイミングに注目する必要がある。北朝鮮の4回目の核実験以後、韓国と米国の強力な対北朝鮮制裁一辺倒の対応に対して中国政府が反対し、韓米対中国の対立が表面化した微妙なタイミングでTHAAD問題が再び起きている点だ。 最近、米国と日本から「北朝鮮の長距離ロケット発射切迫」情報が流されたことについて、THAADの朝鮮半島配備を後押しするための“外郭支援”の性格を帯びているという分析がある。 米国がTHAAD配備問題を再び振りかざす背景には、中国の対北朝鮮制裁参加を圧迫する意図があるという分析が出てくる背景だ。 最近のTHAAD配備問題は北朝鮮の4回目の核実験以後に韓国社会の一角で起こった「自主核武装論」を狙った側面もあるとみられる。 米国としては「拡張抑制力(核の傘)」提供を再確認すること以外に何か韓国の核武装世論をなだめる代案が必要な状況であり、THAADは韓国に北朝鮮の核脅威に対する“心理的鎮静剤”の役割を果たせるということだ。

 しかし、THAADを前面に掲げた韓米の中国圧迫は逆効果となる危険がある。 潜在的な米中対決構図を念頭に置いて朝鮮半島戦略を立てている中国としては、依然として緩衝地帯としての北朝鮮が必要だ。 さらに北朝鮮の核実験を契機に韓米日の三角安保協力が強化されている状況で、北朝鮮の地政学的価値はさらに高まる可能性が高い。 したがって韓米両国政府による「THAAD配備」を前面に掲げた中国圧迫は、意図した北朝鮮と中国を分離する効果より、北朝鮮と中国を密着させる逆効果を生む可能性の方が高くなる。

 韓中関係の悪化も憂慮される。 中国共産党機関紙人民日報の姉妹紙の環球時報は、在韓米軍のTHAAD配備と関連して、韓国に「代償を払う準備をしなければならない」と露骨に報復可能性を明らかにした。 ただし、中国としても韓中関係の悪化が韓国を韓米日三角安保協力側に一層追い込みかねないリスクがあるため、報復に出ることも容易でない側面がある。 それでもいかなる形であれ韓中関係が悪化すれば、中国への依存度が高い韓国経済には打撃が避けられない。

 THAADの朝鮮半島配備は、韓国型ミサイル防衛(KAMD)の米国ミサイル防衛(MD)への編入も加速させる見込みだ。 韓米日は今年末までに北朝鮮の核・ミサイル情報を3カ国のミサイル防衛網を通じてリアルタイムで共有することにしている。 すでに韓米日間のネットワークに連結されたミサイル防衛網に、在韓米軍のTHAADまで加われば、3国間のミサイル防衛統合の完成度がさらに高まることになる。

 問題は3国間の安保協力が米国の中国包囲戦略に動員され、これに対する反作用として北朝鮮と中国、または北朝鮮・中国・ロシアの三角安保協力が強化され、朝鮮半島周辺情勢に対決と軋轢の波が高まりかねない点にある。 軍事評論家のキム・ジョンデ氏は「対中国圧迫用に議論されたTHAAD問題に韓国が誤って対応すれば、米国主導になりやすい韓米日安保協力に一層深く引き込まれ、中国包囲に動員されかねない」として「強力な対北朝鮮制裁だけに執着するのでなく、対話等を通して中国とロシアを含む周辺国が揃って参加できる解決方法を見つけなければならない」と話した。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-31 22:00
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/728733.html 訳J.S(1971字)

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