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北朝鮮外務省、拡声器放送に「突拍子もない挑発」 初の公式反応

登録:2016-01-17 23:30 修正:2016-01-18 06:14
北朝鮮の4回目の核実験に対応するため政府が昨年の8.25合意後に中断した対北朝鮮拡声器放送を再開することにした8日、陸軍兵士が京畿道漣川郡の中部戦線にある対北朝鮮拡声器偽装幕を取りはらっている=漣川/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 対北朝鮮拡声器放送を通じた心理戦の再開について、北朝鮮が15日、「核実験とは無関係の突拍子もない挑発」と非難した。北朝鮮外務省報道官談話として発表された同内容は、今月8日の対北朝鮮拡声器放送の再開後、北朝鮮政府機関が初めて見せた公式反応だ。

 北朝鮮外務省報道官は同日、「南朝鮮傀儡の心理戦放送の再開は、私たちの並進路線に伴う正常な工程とは、何ら関連もない、突拍子のない挑発」とし「私たちの水爆試験は並進路線を貫くための正常な工程を経ただけのもの」だと述べた。また「朝鮮半島情勢を極端に追い込む挑発は、むしろ米国と南朝鮮が私たちに対して行っている」とし「経済強国建設に総力を集中している私たちは、情勢激化に興味がなく、誰に対しても挑発する必要もない」と主張した。米国の「対朝鮮敵対行為」に対する自衛として核武力と経済を共に開発する、いわゆる「並進路線」として4回目の核実験を行っただけで、心理戦放送を再開するような事案ではないという主張だ。

 北朝鮮は、米国が主導する国際制裁と韓国の対北朝鮮拡声器放送に対し、強く警告した。外務省報道官は、「米国は今の戦略核打撃手段を南朝鮮には推し進め、核戦争の火雲を呼び込む一方で、国連でも、私たちの平和的な経済建設と人民生活の向上を妨げる敵対行為を目的とする『制裁決議』をねつ造しようと奔走している」とし「このような(心理戦放送の)挑発行為と敵対行為は、朝鮮半島で情勢を激化させるのにとどまらず、必然的に火花を散らすことになるだろう。一度火薬庫に火がついて爆発すれば、その後遺症の責任は、導火線を引いて、火をつけた者たちが負うことになるだろう」と威嚇した。

 北朝鮮はその一方で、韓米合同軍事演習と自分たちの核実験を共に中断し、朝米平和協定の結ぶことを求める既存の提案を繰り返した。外務省報道官は、「朝鮮半島と北東アジアの平和と安定のために、私たちが出した米国の合同軍事演習の中止を条件に私たちの核実験を停止する提案と、平和協定締結の提案を含め、すべての提案は、まだ有効である」と述べた。北朝鮮は昨年1月9日、自分たちの核実験の一時停止を掲げ、米国に韓国との合同軍事演習の一時停止を要求した。しかし、先核廃棄、後対話を主張してきた米国は、何の反応も示さなかった。同日外務省報道官は1年前、自分たちの提案が有効であることを明らかにしながらも、「公明正大な提案を頑として無視し、情勢を緊張激化へと追い込む米国が、私たちに挑発云々するのは言語道断だ」と非難した。

 北朝鮮はまた、4回目の核実験直後、政府声明で明らかにしたように、「(米国に対する)核攻撃能力と核報復能力を至る所に備えるが、核兵器をむやみに使用するつもりはない。また、核兵器をどこにも拡散せず、関連手段と技術を移転することもない」とし「世界の非核化を実現するための私たちの努力は、中断することなく継続されるだろう」と明らかにした。

キム・ジンチョル(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-17 10:33

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/726504.html 訳H.J

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