米国政府高官が14日(現地時間)から韓中日歴訪に乗り出した。中国に強硬な対北朝鮮制裁への参加をかつてないほど圧迫している韓米日と、「適切な」制裁を強調する中国との間で、激しい神経戦が予想される。今月末か来月初めに予想される国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議を控え、制裁のレベルを決める分岐点になる見込みだ。
米国務省は14日、トニー・ブリンケン副長官が北朝鮮の4回目の核実験に対する制裁を議論するために、この日、米国を出発し、21日まで韓中日3カ国を訪問すると発表した。安保理制裁の実務現場である国連代表部とは別に、中国の“抵抗”を打破するための“頭上プレー”が必要だと判断したためと思われる。
米国は、北朝鮮の反発に伴うリスクを分散させることができる国連安保理で、対北朝鮮制裁のレベルをできるだけ引き上げてから、その進展を見守りつつ、北朝鮮に対する制裁のレベルを決める構えだ。安保理の対北制裁のレベルは、中国が決定的な鍵を握っている。このためブリケン副長官のアジア歴訪、特に中国訪問で、中国との最終交渉に臨むものと見られる。
今回の歴訪の性格は、訪問順序にも現れている。歴訪日程表によると、日本と韓国を訪問した後、最後に中国を訪ねるものとなっている。特に16日、東京ではイム・ソンナム外交部第1次官と斎木昭隆・外務省事務次官と共に、韓日米外交次官協議を行う。韓米日3カ国の調整された案を持って中国を圧迫するという構図だ。
米国は、中国との今回の協議の過程で、対中圧迫のため、利用可能な手段を総動員するものと予想される。ジョン・カービー米国務省スポークスマンは14日の定例ブリーフィングで、「南シナ海問題も議論するだろう」と述べた。中国が領有権を主張している南シナ海問題について、強硬に対処する可能性もあるという意味と思われる。
すでにホワイトハウスは、過去13日にミサイル防衛(MD)システムを韓日と議論していると、中国のアキレス腱にまで触れた。北朝鮮を庇護すれば、中国の安全保障環境を不安定にするという警告で、米中関係と朝中関係のうち、二者択一を迫る強いメッセージが込められている。これに加え、朴槿恵(パククネ)大統領は「THAAD(高高度ミサイル防衛)配備の検討」に言及し、米国を側面から支援している。
問題は、韓米が要求する対北朝鮮制裁の内容が、少なくとも現時点では、北朝鮮に“致命的な”ほど強力なものという点にある。これは、二つの側面で中国が受け入れ難いものだ。第一に、中国は北朝鮮内部の混乱が自国の安全保障と経済不安につながることを懸念している。第二に、中国の内部では、2013年、北朝鮮の3回目の核実験に対し、米国が要求する安保理制裁に積極的に参加したにもかかわらず、北朝鮮核問題において中国がすべての責任を負わされたという認識が広がっている。中国からすると、北朝鮮に対するテコも失い、かといって韓米日の軍事協力が緩和されたわけでもないということだ。米中間の交渉結果によっては、北東アジア情勢がより不安になるかもしれないという見通しが出るのも、そのためだ。
韓国語原文入力:2016-01-15 19:01