登録 : 2015.12.15 04:26 修正 : 2015.12.15 12:24

赤ちゃん負んぶしてラジオ放送 
山村の子供たちのポッドキャスト 
私たちは町のジャーナリスト

今月1日午後、ソウル麻浦区東橋洞カトリック青年会館で開かれた第4回ソウル町内メディア・フェスティバルでソウル町内メディア支援センターが「変化を作る町内メディア」というテーマでフォーラムを行っている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社
 近所の身近な話を取り上げる“町内メディア”が未来の新しいメディアとして浮上している。住宅、教育、グルメなど、生活に密着した町内の情報を伝えるだけでなく、コミュニケーションや対話のための公論の場を提供し、草の根の民主主義を実現しているからだ。

身近な話を盛り込んだ「町内メディア」が浮上 
町内新聞、コミュニティラジオなど200カ所 
住民に密着した“公論の場”であり、遊び場に 
チャンネルの割り当て、支援のための条例作るべき

 町内メディアは、2000年の統合放送法の制定により「パブリック・アクセス」の概念が導入されたことで、メディアを通じた住民の様々な声が反映されるきっかけとなった。参加者の構成やプラットフォームも多メディア時代に合わせて多彩になっている。過去には町内新聞が主流だったが、今ではラジオ、映像、ポッドキャストなどの町の放送に移行する傾向にある。また、子どもや高齢者まで住民の年齢層も幅が広くなり、移住民や障害者の積極的な参加は、社会的な弱者や疎外された人たちを代弁するコンテンツにも目を向けさせる役割を果たしている。

 釜山(プサン)海雲台(ヘウンデ)区盤松(パンソン)洞の町内新聞『盤松の人々』は、17年の歴史があり、町内メディアの代表的存在と評価されている。この地域の草の根の共同体である「希望の世の中」のメンバーたちの主導で月1回発行される『盤松の人々』は、区役所と住民センターを監視し、牽制する小さなメディアとして位置づけられる。彼らは釜山で性的暴力事件が発生したとき、「私たちの町は安全なのか」をテーマに編集会議を行い、暗い夜道の街灯はどのような状態なのか、自ら実態調査に乗り出した。法律を勉強しながら、街灯の明るさと間隔などを計算し、新聞に載せた。これを見た区役所側が共同調査を提案してきた。実効性を高めるために、昼ではなく、夜に調査する必要があるという主張を貫き、実質的な改善に導いた。自動車事故の可能性が高い道路の凸凹も区役所と一緒に調べ、舗装し直したり、修善した。特に機張(キジャン)郡庁で建設廃棄物関連施設を住民の同意なしで許可した際には、問題を指摘する記事を新聞1面に大々的に載せ、地域社会の世論形成に寄与した。同紙は、外部の支援を受けず、メンバーたちがお金を集めて独立的に運営している。キム・ヘジョン「希望の世の中」代表は「町内新聞は、住民とのコミュニケーションの窓口だ。権力の顔色を窺うことなく、歴史教科書国定化問題などを自由に載せている。若い人たちは、SNSを通じて多くの情報を得ているが、お年寄りたちは、『盤松の人々』を見て、世の中のことを知るようになる」と話した。

 江原道麟蹄(インジェ)郡瑞和(ソファ)面の田舎の小学生たちが作ったポッドキャスト「飛べ、アマガエル」は、2013年に文化体育観光部長官賞を受賞するほど、注目を集めた。子供たちが図書館や養鶏場、自動車修理工場などの村の隅々を訪ねて、独自の目線で気になることを取材し、近所と世界を理解していく姿を収録した。山奥の子供たちがこのような新しい作業に挑戦するようになったのは、元ディレクター出身の人が帰村し、作文教室とメディア教育を行った結果だった。

 町内メディアが楽しい遊び場の役割を果たし、隣近所との連帯に広がっているという評価もある。3年前、ソウル銅雀(トンジャク)区のコミュニティ・ラジオ『銅雀FM』は(ラジオ放送について)基本的な教育を受けたばかりの住民数人が、ある人は赤ちゃんを負んぶしたままマイクを握り、やっとの思いで始めた。地域に密着したコンテンツを基に、今では住民DJも約20人に増えた。セウォル号事故追悼際や教育監(日本の教育委員長)選挙についてのトークコンサートなど、地域社会との連帯活動へと地平を広げている。ヤン・スンニョル銅雀FM放送局長は、今月11日にソウル・カトリック青年会館で開かれたソウル町内メディア祭りの「変化を作る町内メディア」フォーラムで「町内メディアは、住民生活の遊び場となっている。番組制作にとどまらず、子どもやお母さんたちと様々な文化芸術家が参加する、地域の祭りを作りあげている」と明らかにした。

 町内メディアの数は、全国で200以上と推定されている。コンテンツを着実に生産しているところもあれば、運営が難しく開店休業状態のところも少なくない。町内メディアが持続可能になるためには、財源の確保とコンテンツを流通させるプラットフォームの構築など、制度整備が急がれる。自治体が町のメディアを支援している場合もあるが、プロジェクト性の事業支援システムにとどまっている。キム・イルウン『江北FM』 ディレクターは「町内メディアは、様々な層と世代を網羅し、平凡だが大切な住民生活と話を盛り込んでいる。町内メディアを支援する条例の制定を通じて行政的支援の根拠を用意すべきだ」と指摘した。イ・ジュフン・ソウル町内メディア支援センター長は「これからのメディア政策は普遍的なコミュニケーション権の保障のために、供給者を中心したものから収容者を中心としたものへの変わらなければならない」とし「地上波テレビやラジオのチャンネル割り当てなどの制度改善が必要だ」と強調した。

ムン・ヒョンスク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-12-14 20:26

http://www.hani.co.kr/arti/society/media/721836.html訳H.J

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