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朴正煕政権も教科書国定化に苦慮、資金提供で反発鎮める対策

登録:2015-10-21 23:13 修正:2015-10-22 09:44
広がる国定教科書強行の波紋
朴正煕政権スタート以後に学校現場で使われた国定教科書と現在使用中の検定教科書 =チョン・ヨンイル記者//ハンギョレ新聞社

新政治民主連合ト・ジョンファン委員長 
1973年の文教部編修局の報告書を公開 

「著者らに学術研究費を支給し 
出版社に他の教科書を増ページ」 
朴正煕大統領の決裁受ける 

執筆期間6カ月のスピード戦 
朴槿恵政権と同様 

 1973年、朴正煕(パク・チョンヒ)政権が国史教科書を国定に切り替える当時、検定教科書の執筆陣と発行会社の反発を学術基金などの予算で鎮めようと内容が盛り込まれた報告が、大統領府に上がっていた事実が確認された。国定で国史教科書を発行する国は共産主義諸国とアフリカ諸国しかないという事実も報告された。現在同様、当時も国定教科書の実質的な執筆期間は6カ月しか残されていないほど、スピード戦が行われた。

 新政治民主連合の「韓国史教科書国定化阻止特別委員会」委員長のト・ジョンファン議員は21日、「ハンギョレに1973年6月9日に文教部編修局が大統領府に報告した『中高校国史教科書国定化』報告書を公開した。当時の大統領秘書室は、独自に作成した「国史教科書の国定化方案報告」と共に、文教部のこの報告書を朴正煕大統領に報告し、決裁を受けた。

 同報告書によると、「国定化しなければならない理由」として「民族的価値観の確立に向けた一貫性のある教育の実施」、「主体的発展史観の客観化 - 主観・学説の多様性を止揚」、「豊富な史料を活用した教科書の編纂」などが挙げられた。

 同報告書は、単一の国史教科書国定化を進めるうえで障害となるものとして、11種検定教科書の著者と発行業者の反発を挙げた。報告書は著者と検定業者を説得するための具体的な方策を記している。まず著者たちには印税に相当する金額である年間750万ウォン(約79万円)を学術研究費として造成し、仮称「国史教育研究会」を通じて支給することになっている。出版社には、中学校社会(社会+国史)教科書の分量を増やしてあげることを提案した。当時中学校社会科教科書はすべて978ページで、このうち前書きなどを除けば、社会は約680ページ、国史は約260ページで構成されていた。文教部は、報告書で社会部分の分量を当初の978ページ近く増やす方案を説明した。社会の教科書ページ数を増やし、その分価格を引き上げるということだ。レポートには、各検定教科書の著者たちの印税推定額まで紹介されている。

 同報告書には、国定化施行日程の計画も詳細に盛り込まれている。 1973年6月23日、マスコミなどを通じて国定化の方針を発表した後、1974年1月1日〜2月25日の印刷 ・配本までの作業期間が8カ月程度しかない。また執筆者の委嘱(1973年6月20日)から最終編纂審議会(12月1〜5日)まで、実質的な国定教科書の執筆期間は6カ月に過ぎないことが分かった。

チョン・ジョンユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-21 19:47

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/713886.html 訳H.J

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