南北が8日、“無泊2日”の徹夜の赤十字実務接触を通じて、10月20から26日まで離散家族の再会行事の開催に合意したことで、なんとか「8・25合意」の勢いを生かすことができた。南北当局会談の開催と民間交流の活性化など、これから南北2+2高位級接触の他の合意事項の履行へと進むための最初のボタンとしての意味を持つ。しかし、今回明らかになった南北間の大きな隔たりは、今後、他の部門の協議もまた険しい道のりになる可能性を予告したものと思われる。
南北は今回の実務接触で、離散家族名簿の全面的な交換と再会の定例化などの韓国側の主要な関心事は、別の赤十字会談で議論することにした。これにより、南北はまず当局会談と赤十字会談の議題と優先順位などを整理し、調整する課題を抱えることになった。また、これを離散家族の再会まで含めてどのような順序で展開していくのかも決める作業も残されている。
10月下旬に予定された離散家族の再会まで、まだかなりの期間が残っているだけに、再会前には、どのような形であれ、南北当局間の接触が行われるのではないかという見通しもある。離散家族の再会が、実現するかどうかを見守ってから当局会談などに移るには、あまりにも多くの時間が残されているだけに、突発的な問題が起こる可能性も排除できないからだ。
当局会談と赤十字会談をどのように連携するのかは、現時点では未知数だ。政府のある関係者は「まだ何も決まっていない。これから会談の構図とタイムテーブルを作っていかなければならない段階だ」と述べた。朴槿恵(パク・クネ)大統領が8・15祝辞で離散家族に関する根本的な議題を提示しただけに、韓国当局としては、大統領の最大の関心事である全面的な名簿交換と再会の定例化などを議論することにした赤十字会談を最優先で進める可能性がある。赤十字会談→当局会談の経路だ。しかし、離散家族の議題が5・24措置の解除や金剛山観光の再開、大規模な対北支援などと密接に連携される問題という点を考慮する必要があるとの見方もある。このような問題を総合的に取り上げるためには、結局当局会談で方向性を決めることが優先されるべきであり、そのためには当局会談→赤十字会談の順で進めるか、少なくとも二つの会談を並行して行う必要があるという見解だ。
北朝鮮がどのような反応を示すのかはまだ不明だ。政府の他の関係者は、「北朝鮮は10・10労働党創建記念日までは当局会談などに人的資源を集中するのが難しい可能性が高い」と予想した。本格的な南北会談に出るまでは時間がかかるという見通しだ。
当局会談のレベルと議題なども事前に議論しなければならない。韓国側は、いわゆる「統統ライン」(統一部長官と労働党統一戦線部長)の構築を念頭に置いているのに対し、北朝鮮側は統一戦線部長を「副総理級」として捉えている点が障害になる可能性がある。
再会行事の開催に合意したにもかかわらず、まだ南北関係には不安要因が残っている。何よりも、10月10日北朝鮮が人口衛星の打ち上げを名分に長距離ロケットを発射するかがカギとなる見込みだ。北朝鮮が長距離ロケット発射を準備する動きが捕捉されると、離散家族の再会行事はもちろん、南北会談などにも否定的な影響を及ぼす可能性が高い。さらに長距離ロケットを実際に発射すれば、国連レベルの対北制裁が議論され、朝鮮半島情勢が不安定になる可能性もある。また、会談が開かれたとしても、南北が各々の優先順位を掲げ、互いに譲らず対立する場合、期待にふさわしい成果をあげるのは困難なだけに、双方とも挑発的発言や行動を自制しながら交渉の妙を得ることが必要だという声が上がっている。
韓国語原文入力:2015-09-08 20:32