登録 : 2015.10.02 22:29 修正 : 2015.10.03 06:53

地雷被害の現実と対策

8月28日午前、仁川市ブラッドム記念病院でこの病院の診療センター長であるキム・ソンファン地雷被害者障害等級判定実務委員会委員が、民間人地雷被害者イ・ギョンオク氏の左足レントゲン写真を診ている //ハンギョレ新聞社

 8月4日、朝鮮半島を戦争の危機を追い込んだ非武装地帯での地雷爆発で重傷を負ったキム下士(23)とハ下士(21)が受け取れる補償水準はどの程度だろうか? 国防部の補償方案によれば、障害等級に応じて現役服務時には「傷害後遺保険金」としてそれぞれ6000万ウォン(約600万円)と1億ウォン(約1000万円)を受け取る。 予備役に転役すれば傷痍・報勲年金としてそれぞれ200万ウォン(約20万円9と530万ウォン(約53万円)程度を毎月受け取ることになる。 一方、民間人が地雷被害を受ければ、朝鮮戦争停戦から62年の歳月が流れたがいかなる補償も受けられない。

 2011年、江原道の支援で社団法人「平和分かち合いの会」(韓国対人地雷対策会議)が行った「江原道民間人地雷被害者全数調査報告書」によれば、江原道には228人の「イ・ギョンオク氏」がいる。 韓国政府による調査は一度もなされたことがない。 2011年の調査が初の民間人地雷被害者調査であった。平和分かち合いの会のチョ・ジェグク理事長は先月29日、「非人道的在来武器禁止条約(CCW)には、被害者の治療、リハビリおよび社会・経済的回復のために各国政府は支援しなければならない、という内容がある。 この条約に加入した韓国では履行されていない」と主張した。 韓国政府は1997年9月、ノルウェーのオスロで開かれた対人地雷会議で「韓国には対人地雷による犠牲者が存在しない。北朝鮮と対峙線上の155マイルに及ぶ非武装地帯を除けば、韓国はいかなる地域にも対人地雷を埋設していない」と明らかにした。 対人地雷の使用禁止と除去を規定した「オタワ対人地雷禁止条約」への加入を回避するために政府がこのように主張したというのが関連団体の解釈だ。

現在、非武装地帯の108万発以外に
牛眠山・文鶴山・南漢山城・泰安など
計36カ所に7万5000余発の地雷を埋め
1988年にも地雷を埋めたほど
江原道だけで“228人のイ・ギョンオク氏”
被害者の受付を始めたものの
慰労金算定方式に現実性がなく
「特別法改正」の声が高い

 2001年2月、駐国連大韓民国代表部の要請に対して国防部が答えた資料によれば、現在非武装地帯に埋まっている108万3000余発の地雷以外に、ソウル牛眠山(ウミョンサン)、仁川文鶴山(ムナクサン)、京畿道城南(ソンナム)、南漢山城(ナマンサンソン)、忠清南道泰安(テアン)、大邱(テグ)最頂山(チェチョンサン)、釜山長山(チャンサン)など36カ所に7万5000余発の地雷が埋設されている。 韓国戦争当時には全国に、1962年のキューバ ミサイル危機時には民間人統制線に、1986年のアジア競技大会と88年オリンピック開催当時には後方地域の防空砲基地周辺に地雷が埋設された。 国防部は2010年、未確認地雷地帯に埋設された地雷を除去するためには489年かかると明らかにした。

 昨年10月15日、セヌリ党のハン・ギホ議員が発議した「地雷被害者支援に関する特別法」が制定され、民間人地雷被害者問題の解決の糸口がようやくついた。 4月16日、国防部は民間人地雷被害者の受付を始めた。 しかし、施行令により事故当時の平均名目賃金を基準としてホフマン係数を適用し“慰労金”を計算すれば、1953年に事故に遭った扶養家族のいる31歳の死亡男性(月平均賃金110万ウォン)は、67万ウォン程度の慰労金を受け取ることになる。 反面、同じ状況に置かれた人が2012年に事故に遭った場合には、3億4494万ウォン程度の慰労金を受け取る。 二つの慰労金の格差は512倍だ。 チョ理事長は、慰労金算定問題について「過去の名目賃金ではなく現在の実際の賃金基準で計算されなければならない」と主張した。 今年7月8日基準で地雷被害慰労金申請者は180人だ。 このうち賃金上昇率が鈍化した1980年以前の被害者131人(72.8%)は極めて少ない慰労金を受け取ることになるというのが関連団体の主張だ。

 そのため、現実に合うように特別法を改正しなければならないという声が出ている。 被害者団体は治療および医療消耗品費用に加えて5千万ウォン(約500万円)程度の慰労金支給が必要だと主張する反面、国防部は自動車損害賠償保障法施行令で死亡者に対する最低慰労金支給基準が2千万ウォン(約200万円)という点を挙げて2千万ウォン未満なら支給可能だと明らかにしている。 国防部は関連部署との協議を通じてこのような内容の法改正案を準備しているという。 8月13日に国会で開かれた「地雷被害者支援対策懇談会」でハン・ギホ議員は「改正案に出てきた支給額の内容は企画財政部が出したもの」とし「国防部施設企画官に『支給額を2千万ウォンまでと釘を刺すな』と伝え、企画財政部とさらに交渉するよう言った」と話した。

 これに対してパク・ジェミン国防部施設企画官は先月30日「企画財政部と予算協議をしたところ、ベトナム戦参戦軍人の補償基準との公平性問題があるとし、企画財政部は原則的に賛成できないという意見を出した」と明らかにした。 反面、企画財政部国防予算課のイ・チョルヨン事務官は「法が施行されてからいくらも経たない状況で、その内容が妥当か否かまだ分からない。 国防部と協議はしてみたが、具体的に話したことはない。 (国防部が)強く推しているようだ」と話した。 チョ・ジェグク理事長は「二つの部署が予算問題を巡って互いに責任を転嫁している」として「光州(クァンジュ)民主化運動への補償審議を首相室の傘下で独立的に運営される委員会がしているように、地雷被害者のための支援審議委員団も関係機関から独立させなければならない」と話した。

キム・ソングァン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-02 20:48
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/711226.html 訳J.S(2598字)

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