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安保法制強行採決、日本で違憲訴訟など反対運動相次ぐ見込み

登録:2015-09-19 06:54 修正:2015-09-19 07:47
8月30日午後2時、東京・千代田区の国会議事堂前で開かれた「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」に参加した日本市民の巨大な波が国会を完全に包囲している。主催側はこの日の集会に12万人が参加したと明らかにした=東京/ロイター聯合ニュース

数十年沈黙した抵抗精神復活
学生が立ち上がりベビーカー部隊まで
来年の選挙と野党の動きで流れ変わる

 安保法制強行通過を阻止するため、日本の市民が東京の国会議事堂前をはじめ、全国各地で大規模なデモを行い「勝手に決めるな」と切々と訴える風景は、日本の新たな社会現象だった。学生や主婦、サラリーマンまで幅広い層の意を集めた切実な努力にもかかわらず、日本人の60〜70%が反対している安保法制の制・改定案が、結局18日、参議院本会議を通過した。十分な社会的合意なしに戦後70年間続いてきた日本の安全保障政策を180度変えた今回の事件は、今後、日本社会全般にわたって非常に大きな影響を及ぼすものと見られる。

 安倍政権の国政運営方式を批判してきた「立憲デモクラシーの会」の共同代表である中野晃一・上智大学教授(政治学)はハンギョレとのインタビューで、法案通過以降の日本社会の動きについて、「短期的には、日本社会に失望する雰囲気が広がると思われる。しかし、すでに市民の間に広く共有された立憲主義、民主主義、平和への願いは、そう簡単に消えないだろう」と予測した。具体的には、既に制定された法律が実際に適用されないように違憲訴訟など、様々な反対運動が形を変えて粘り強く続けられる見込みだ。

 日本社会は、今回の反対運動を通じて、これまで経験できなかった貴重な社会的資産を築いた。1960年安保闘争以来、数十年間の沈黙を破り、民意を無視する政権に対抗する市民社会の抵抗精神が蘇ったからだ。その過程で、日本社会では、これまであまり見られなかった若者を中心とした新たな社会運動も花開いた。

 最も代表的なのは、どの政治勢力にも属さない学生個人の集まり「SEALDs(シールズ)」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の活動だ。昨年5月に結成された彼らはオン・オフラインでの縦横無尽な宣伝活動を通じて8月30日、東京千代田区の国会議事堂前に12万人の市民を呼び集めた。日本の市民たちは、この光景と1960年安保闘争の際に集まった32万人の人波を比較する写真を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じシェアしながら感動を共有した。ベビーカーを押しながら渋谷の街を行進した母親たちの活躍も見逃せない。SEALDsは今回の法案に賛成した議員に対する落選運動を展開すると宣言した状態だ。

 残りの問題は、2つある。日本の市民たちが民意を無視して、違憲的な法律を通過させた安倍政権を審判するためには、来年の夏に行われる参院選まで待たなければならない。その間安倍政権は、アベノミクスに象徴される景気浮揚策に力を入れ、急落した支持率の挽回を狙う可能性が高い。もう一つの関心事は、野党の動向だ。山口二郎・法政大学教授(法学)は、最近のハンギョレへの寄稿で「来年の参議院選挙で野党が勝つためには、憲法理念の提唱を軸に結束しなければならない。今後、日本政治の焦点は、野党の動きにある」と断言した。来年の参議院で野党が勝利を収め、安倍政権の反撃の足がかりを確保すれば、少数の支持だけで国会の絶対多数の議席を確保できる現行の小選挙区制への根本的な問題提起が行われるものと見られる。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-19 02:55

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/709575.html 訳H.J

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