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1日12時間勉強しても不安…韓国の高校生“強制学習”の実態

登録:2015-08-27 09:07 修正:2015-08-27 13:33
大学随時募集で論述試験を受ける受験生=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

高校生の41%が深夜10時後に下校
法廷最長労働時間より長い
睡眠時間は5時間50分だけ
教育団体「青少年にも休む権利を」

 今年になりソウルの自立型私立高(自社高)に入学したジェイン君(仮名、16)は、毎日午前1時30分頃に学校の寮で眠りにつく。眠ったのも束の間、6時30分になれば起床し、目まぐるしいほど忙しい一日を学校ですごす。午後4時に授業が終了しても、5~6時まで補充授業が続く。夕食後の深夜11時までは“強制”自習だ。続く午前1時までの深夜自習は“選択事項”だが、いつも机の前に座ったままだ。「他の生徒たちがしているのを見ると不安になり、もっと勉強しなければならないようで…」

一般高校の学習時間の実態調査。 資料:青少年人権行動アスナロ/調査期間:2015年4~8月 //ハンギョレ新聞社

 こうした日常は自社高の生徒に限らない。26日、「青少年人権の行動アスナロ」や全国教職員労働組合など、教育・人権団体が公開した生徒の学習時間実態調査(全国小中高在学生6261人対象)の結果によると、一般高校生徒が学校ですごす時間は一日平均12時間を超える。一般高校生徒は平均で夕方8時8分に下校していると集計されたが、41.3%は夜10時以降に下校すると答えた。特性化のための高校生と中学生が学校に留まる時間も、それぞれ10時間4分、8時間3分に達する。アスナロのコン・ヒョン氏は「韓国の法廷労働時間は延長勤労を合わせても1週間で最長52時間。中学生にもなれば学習時間が法廷最長労働時間に肉迫する」と指摘した。

 昨年から「学習時間を減らすプロジェクト」を進めてきたアスナロは、こうした長時間学習は長時間労働と変わらないため非人間的な悪影響をもたらすと憂慮する。睡眠不足にともなう健康権侵害が代表例だ。質問に答えた生徒の平均睡眠時間は6時間58分なのに対し、高校生は一般高校で5時間50分、特性化高校で6時間14分と調査された。一般高校の生徒の82.7%が「睡眠時間が足りない」と答えた。これに伴う情緒上の被害も深刻だ。一般高校生徒の85.6%は「学業のストレスを感じる」と答え、72.8%は「休息を取っても不安や焦燥を感じることがある」と答えた。

 学校側が強制補充授業・自習の名分にするのが「私教育抑制効果」だが、実態調査ではそれさえも満たせていないことが分かった。校内学習に参加する学生と参加しない学生の私教育の参加率は、小中高校すべてで意味のある差は見いだせなかった。これらの団体は「労働時間に制限を設けるように、適切な学習時間と関連した社会的約束を作りあげ、生徒たちの休む権利、遊ぶ権利、幸福追及権、教育権、健康権などを保障しなければならない」と提案した。

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-26 22:15

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/706125.html 訳Y.B

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