本文に移動

成績簿偽造による大学入学査定官制の弱点が再び俎上に

登録:2014-10-09 21:31 修正:2014-10-09 23:05
教師と組んで“偽造スペック”を作り名門大に合格
入学査定官による大学入試の面接 //ハンギョレ新聞社

 教師と組んで“偽造スペック”を作り、息子を有名大学の漢方医学部に入学させた“木洞ママ”のイ氏(49)(『ハンギョレ』 10月8日付8面)は、警察の調査で「江南(カンナム)では誰もがやっているのに、なぜ私だけ問題にするのか」と悔しがったという。 入賞経歴、奉仕活動、善行表彰までねつ造する現実が明らかになり、学校生活記録簿(成績簿)を骨格とした大学の入学査定官選考(2015年からは学生簿総合選考)制度の弱点が再び俎上に上がった。 韓国大学入学査定官協議会は「制度の問題ではなく、一部教師の職業倫理と父母の歪んだ教育熱のため」としつつも、公正性論争を払拭するための制度補完を教育当局に要求した。

奉仕活動と国外体験の期間が重なっているのに
基礎的な誤りさえチェックできず
書類を偽造した母親「江南では誰もがやっている」
入学査定官協議会は制度の補完を要求
「大学としては学生簿を信じて評価するしかない」

 入学査定官制は2007年に導入された。 高校生活が良好であるだけでも大学への入学を可能にし、高校教育を正常化しようという趣旨だった。 2015学年度には全国133大学が入学査定官選考で学生を選抜する。 首都圏大学の場合、定員の30~40%がこの制度を通じて入学することになる。

 大学側は、入学査定官制の基本になる学生簿を教師が偽・変造してもこれをチェックする方法は事実上ないと話した。 ある私立大の入学処関係者は9日「大学としては、高校の教師が作成した学生簿を公共機関に対する信頼をもって信じて評価せざるをえない。 1万人以上の学生簿を確認しなければならないのに、大学が捜査ができるわけでもなく、検証する方法はないと見なければならない」と話した。 別の大学入学処関係者は「教師が腹を括って学生簿を偽造するなら、入学査定官制の根幹が動揺せざるを得ない。 一線の高校が自主的に検証するよう制度的補完が必要だ」と話した。

 だが、入学査定官制を運営する大学も、基本的事実の確認さえなおざりにしているという批判を受けている。 今回警察に摘発されたソン氏(20)の場合、書類に記載された奉仕活動期間と外国体験学習機関が重なっていたのに、大学では基礎的チェックさえできなかった。

 反面、現場実態調査などを通して入学査定官選考の質を高めているケースも多い。社会福祉特性化大学である江南大学は、奉仕活動スペックを重視している。 この大学の入学査定官は、奉仕機関を直接訪問し、受験生が出した書類の真正性を確認している。 今年の随時選考でも忠清北道陰城(ウムソン)の療養院奉仕活動実績が過度に多い受験生を“検証”するために、入学査定官が療養院を訪問した。 療養院関係者たちは受験生ではなく、その母親しか記憶していないという事実を確認し不合格処理した。

 教育部は2015学年度の入学査定官選考(学生簿選考)には、学生簿に外部経歴事項を記載できないようにしたが、一線学校の“水増し学生簿”の可能性は依然として残っている。 キム・ギョンスク入学査定官協議会長(建国大学入学選考専門教授)は9日に出した声明で「警察に摘発された学生が入学査定官選考で合格したという理由だけで、入学査定官選考評価の弱点と解釈するのは適切でない。だが、随時選考で最も多くの選抜人員を占める学生簿選考の補完点を考慮してみなければならない」と明らかにした。

 入学査定官たちは、学生簿記録に対する高校の自主検証、評価に必要な提出書類の拡張、安定的評価のための入学査定官専任化が必要だと指摘する。 キム教授は「入学査定官制の導入で、教師の評価権が向上し、高校教育が活性化した。 問題の焦点を制度の弱点にだけ合わせるならば、大学の選択は高校教育を荒廃化させた修学能力試験と大学の本試験にならざるをえない」と語った。

パク・キヨン、チェ・ウリ、チョン・ファンボン、イ・ジェウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/659133.html 韓国語原文入力:2014/10/09 20:10
訳J.S(1772字)

関連記事