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決断力不足が招く朴槿恵大統領の対面報告“忌避症”

登録:2015-08-24 10:07 修正:2015-08-24 16:18
任期折返し点に立つ朴大統領
朴槿恵大統領が15日午前、ソウルの世宗文化会館で開かれた光復70周年中央慶祝式で祝辞を述べている=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

地雷爆発事件発生時に国防部長官と通話せず
MERS事態でも長官の対面報告を受けない
“双方向疎通”より“一方的な指示”スタイル

 「歴代政権で、大統領と大統領府内部のコミュニケーションのあり方に(国民が)これほどまで心配したことがあっただろうか」(キム・ミンジョン慶煕大教授)

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の任期前半で提起され続けてきた批判の一つに、朴大統領が“対面報告”を避ける点が挙げられる。顔を突き合わせて議論する対面報告より、書面・電話による報告を好む朴大統領の疎通方法が、単純な個人的“スタイル”を超え国政運営の混乱の主因として指摘される。

 4日に非武装地帯(DMZ)で地雷が爆発した時も、5~6月の中東呼吸器症候群(MERS)事態の時も、さらには昨年のセウォル号事故の時も、常に「大統領にいつ報告したのか」「対面報告をしたのか」という点が問題になった。

 4日の地雷爆発から10日の発表までの1週間、朴大統領は主務長官のハン・ミング国防部長官と一度も通話しなかった。キム・グァンジン国家安保室長は4回報告したが、書面・電話の報告だった。地雷爆発後、国家安全保障会議(NSC)が4日後に開かれるなど、政府の右往左往する態度と遅い対応は、朴大統領の“対面報告忌避”と、これによる不正確な状況判断によるとの指摘もある。南北相互による砲撃が起きた20日、朴大統領が直ちにNSCを招集して直接主宰し、翌日には戦闘服を着て軍司令部を訪問した点などは、こうした指摘を意識したものと伺える。

 今年前半期にMERSが急速に広まった時期にも、朴大統領はムン・ヒョンピョ保健福祉部長官の1対1による対面報告を一度も受けなかった。昨年のセウォル号事故当日にも朴大統領は21回の報告を受けたが、すべて書面と電話による報告だった。

 朴大統領の対面報告忌避症についてある幹部は「書面で見ればより多くの情報を速く得ることができる。書面報告では疎通にならないと考えるほうが問題」と釈明した。しかし書面や電話報告は“双方向疎通”ではない“一方的指示”の性格が強い。朴大統領が対面報告を忌避する理由をセヌリ党関係者は「朴大統領はコンテンツのない人だ。(長い政治生活をしたという点を考慮すると)驚くほどだ。対面報告を受けたらその場で決定を下すべきだが、それが不可能だ}とはっきり指摘した。キム・マヌム韓国政治アカデミー院長は「対面報告の特徴は、大統領が正しく知らなかったり間違って判断するのをその場で正すことができることにある」として「書面・有線報告は一方的な指示であるに過ぎず、朴大統領国政運営の断面を示している」と語った。

チェ・ヘジョン、ソ・ボミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-23 23:05

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/705646.html 訳Y.B

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