公共情報を透明に公開して、信頼される政府を実現するという朴槿恵(パク・クネ)政権の国政課題「政府3.0」が“食事代”の前で立ち止まった。不透明な執行で、多くの場合「機関長のお小遣い」と批判されてきた業務推進費は、ほとんど関係機関との「業務協議のための食事代」として使われる。ところが、大統領を至近距離で補佐する大統領警護室がこの業務推進費を公開していない。
「透明社会のための情報公開センター」は、最近50の中央行政機関のホームページに公開された機関長の業務推進費の現状を分析した。情報公開法は、公共機関の業務推進費の公開を義務として規定している。しかし、ほとんどの機関が「機関長などが誰と、どのレストランで食事したか」を全く公開しなかった。使用した金額と日付のみ公開した機関が大半を占める。
特に、大統領警護室は、李明博(イ・ミョンバク)政権初年度の2008年分の業務推進費の使用状況を最後に、6年間ホームページに何も公開していない。警護室は日・月・四半期・半期などで公開周期が細かい他の機関とは異なり、1年に一度だけ公開することになっている。にもかかわらず、これさえも総額を公開しているだけだったが、2009年からは非公開に転じたのだ。
警護室の関係者は17日、「国会の要求があれば、該当資料を提出することで対応してきた。詳細な内訳は大統領警護に伴う保安上の理由から、非公開にしている」と述べた。彼は「2012年までに、独立した機関ではなく、大統領室の所属機関だったので、警護室長の業務推進費を公開する義務がなかった」と述べた。しかし、2013年に政府組織法の改編で警護処から首長が長官級の警護室に「格上げされて独立」してからも、業務推進費の使用内訳は公開されていない。これについて警護室側は、「記載漏れがあっただけで、隠ぺいではない。保安上、内容別の公開は難しいが、今後種類別の総額は公開する」と釈明した。
企画財政部の予算執行の指示に従って、業務推進費の具体的な使用状況をホームページに公開した機関は、50の中央行政機関のうち1カ所もない。企画財政部は内部決裁の指針は設けているが、公開に関する指針は定めていないため、関連機関がこれを悪用している。なかでも文化財庁、警察庁、行政自治部、未来創造科学部が業務推進費使処(レストラン名)を金額、日付とともに公開して、体面を保った。
防衛産業不正で透明性が疑われている防衛事業庁をはじめ、国防部、韓国国防研究院、個人情報保護委員会は、使用金額と目的の記載があるだけで、誰に、いつ、どこで使用したのかは全く明らかにしなかった。
透明社会のための情報公開センターのチョン・ジンイム事務局長は「公企業と準政府機関には、業務推進費の使用に厳しい基準を突きつけながら、より大きな権力持った国家機関の執行内訳が不透明なのは、政府3.0の趣旨に反する。政府が業務推進費公開の統一された指針を用意しなければならない」と指摘した。
韓国語原文入力:2015-08-17 20:14