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[社説]大統領の健康管理まで論争にしてしまう大統領府

登録:2014-10-29 08:55 修正:2014-10-29 16:47

 昨年2月に著名な運動トレーナーを大統領府の3級行政官として起用した大統領府が、その際に約1億ウォン(約1千万円)相当の運動器具も購入していたことが分かり論議を呼んでいる。

 大統領府が大統領の健康管理のために運動トレーナーを雇い運動器具を購入することが大きな過ちではない。大統領制の国では国家運営の中枢である大統領の健康と安全は極めて大切で、そのために少なくない予算と人材を使うのはよくあることだ。我が国(韓国)だけでなく米国などもそのような点は同様だ。しかし、その内容は大統領の安全を直接脅かすものでないのなら正直にガラス張りにして国民に公開することが望ましい。それでこそ不要な誤解や政治的な論争を避けうるのだ。

 今回の運動器具購入の件は、有名トレーナーのユン・ジョンチュさんを第2付属室の行政官として採用した最初のボタンから掛け間違っており、それを釈明する際も‘見てみぬふりの阿吽の呼吸’というやり方で、大統領府自らが論議をあおってしまった面が大きい。大統領府はユンさんの大統領府勤務の事実が8月にマスコミに漏れると、すぐに「運動トレーナーではない。第2付属室で広報と要請を受け持っている」と主張した。

 第2付属室は本来は大統領の配偶者を補佐する場であるので、独身の朴槿恵(パク・クネ)大統領には必要ないのではないのかと指摘されると、大統領府はすぐさま「疎外階層(恵まれない人)に対応する要請窓口として活用する」として存続させた部署だ。突然「疎外階層」と言い出した説明からして実際素直には受け止めがたい。今回も運動器具購入について「職員と担当記者のためのものだ」と大統領府は主張している。そもそも第2付属室の業務を最初から「女性大統領の身辺補佐」と説明するか、運動トレーナーを医療スタッフと同様に警護室の所属として大統領の健康維持に従事させればよかったはずなのに、いろいろと言い訳しようとしていっそう話がややこしくなったように思える。

 大統領府の秘書室が大統領の健康管理をすることを問題視する気はない。問題は大統領府の動きがガラス張りでなく何かを隠しているようで、その説明を額面通りに信じるのが難しいという国民の思いだ。そのために今回だけでなくあらゆることで大統領府と国民の間に壁が生まれ、さまざまな不要な憶測が広がるのだ。

 大統領府は今からでも第2付属室を当初の説明通りの役目か、または別の新たな役目に添うように運営していくのが真摯な姿勢である。運動トレーナー出身のユン行政官の業務が第2付属室にそぐわないなら、警護室のような別の部署に異動させて働いてもらえばいいのである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/28 18:38 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/661792.html 訳T.W(1166字)

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