登録 : 2015.08.12 08:20 修正 : 2015.08.12 11:24

中国外交諮問の時殷弘・人民大教授

先月13日訪ねた中国遼寧省大連市にある大連造船所正門。船舶建造用の大型クレーンを背景に「科学発展、強軍報国」というスローガンがある=大連/ソン・ヨンチョル特派員//ハンギョレ新聞社
 「過去20年間、中国政府と人民の最も大きな希望の一つが、中国が経済大国になると同時に軍事強国になることだ」。時殷弘(スーインホン)人民大国際関係学院副主任(64)は“強軍夢”こそ中国の宿願であると指摘した。時教授は「中国は今後、南シナ海で持続的に人工島建設を拡大し、空母を含む遠洋艦隊を建設して南シナ海での主権を実現するだろう」と語った。時教授は中国で指折りの国際関係学の専門家で、外交部諮問を務め政策樹立にも影響力を及ぼす。時教授は首相が直接指名する著名専門家、各界代表など58人で構成される国務院参事団の一員でもある。6月29日、人民大近くのコーヒーショップで話を聞いた。

南シナ海はエネルギー輸送の生命線
米国に抑えられた海洋権は取り返さねば
習近平執権後に対北朝鮮政策強硬に
韓国との関係を発展させるのが優先
韓国が米国の圧力でTHAAD配備するなら
中国の脅威にならないようにすべき

-習近平政権の対外戦略の核心は?

時殷弘・人民大教授//ハンギョレ新聞社
 「中国は習近平主席執権後、非常に強力な軍事戦略を採択した。東・南シナ海で中国の主権を確保する行動を取った。中国の実力を対外に誇示し、軍事の行動範囲も広げた。中国は最近、南シナ海で大規模に人工島を作った。しかし、こうした中で米国や日本などとの緊張高揚で偶発的な軍事衝突が起きる危険も高くなった。軍事戦略と同時に“一帯一路”(陸・海上シルクロードをつなぐ中国中心の経済ベルト)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立、韓国やオーストラリアと自由貿易協定(FTA)締結など、経済戦略も強化している。軍事戦略は習近平政権の力を外に誇示し、経済戦略は国内産業の活路を開く」

-中国が国防白書などで「海洋崛起」をことさら強調する理由は?

 「中国は広大な海洋と大陸を持つ国家だ。中国は過去30年間、速い経済発展を成し遂げた。経済を発展させるには鉱物、エネルギーなどの輸送路が安全に確保されねばならない。特に南・東シナ海をはじめとする西太平洋地域と東部インド洋地帯は、エネルギー輸送での生命線も同然だ。中国は今まで米国に抑えられてきた海洋権を実現しつつある。南シナ海で驚くべき速度で人工島を建設させたのが一例だ。米国は中国の行動に非常に驚いている。中国は長期的に人工島建設を通じて、軍事能力向上、米軍の偵察遮断、ベトナムとフィリピンの領有権主張封鎖を成し遂げようとする。中国は最近、人工島建設が仕上げ段階にあるとしたが、今後もこの作業は拡大していくだろう。南シナ海での軍事力は今よりはるかに増強されるだろう」

-中国が国防費を毎年10%以上増加させていることに国際社会の憂慮も少なくない。空母建造もスピードを増している。

 「過去20年間、中国政府と人民の最も大きな希望は、経済大国になると同時に軍事強国になるということだった。台湾問題をはじめとして、中国は西太平洋で西側の軍事干渉を遮断しようとする。また、陸海空軍だけでなく、サイバー・宇宙空間でも安保を維持するため2桁以上の国防費増加が必要だ。習主席執権期でこうした基調は維持されるだろう。空母は中国の遠洋戦力維持に必要だ。米国の水準に至ることはないが、今後10年間に少なくとも4~5隻の空母を保有するのは驚くことでない」

-中国の外交原則である外国への内政不干渉が変化していると評される。

 「中国は対外政策の重大原則である不干渉原則を堅持して行くだろう。しかし状況によって例外がある。中国が国際社会で負わねばならない義務が大きくなり、国外で資産と人民の安全を保護しなければならない需要が急速に増しているためだ」

-習近平政権の朝鮮半島戦略は?

中国初の空母、遼寧号が大連港に停泊している。中国は現在、自主技術で3隻の空母を同時に建造している=大連/ロイター、聯合ニュース
 「習主席執権後、朝鮮半島の基本政策に大きな変化がおきた。対北朝鮮政策は前例がないほど強硬だ。特に張成沢(チャン・ソンテク)処刑後、北朝鮮が中国にとった非友好的な態度が、こうした基調を強化させた。今まで中国は、いかに困難な状況でも韓国と北朝鮮に対等な態度を取った。だが、習主席は違う。中国に友好的な韓国との関係を優先的に発展させようとしている。北朝鮮問題で韓国との関係を傷つけることはない」

-朝鮮半島に高高度防衛ミサイル(THAAD)が配備されたら?

 「朝鮮半島のTHAAD配備は中国にとり非常に重大かつ否定的な影響を及ぼすだろう。韓国は北朝鮮のミサイル脅威と米国の圧力でTHAAD配備に同意する可能性がある。韓国がどうしてもTHAADを配備しなくてはならないなら、(探知範囲と距離を縮めるなど) 不完全な水準のTHAAD配備でなければならない。そうれなれば中国に脅威にならない。個人的にはTHAAD配備が韓中の友好関係を致命的に損傷させることはないと思う」

-中国の対日戦略は?

 「昨年11月に北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談で習主席と安倍晋三首相が会った後、雰囲気が好転した。これは3年余り続いた激しい葛藤を思うと大きな変化だ。 だが、日本は米日同盟を強化して自衛隊の活動範囲を広げ、中国も日本を念頭に軍事施設を建設している。対話の中でも日本を狙った軍事戦略は強化されるだろう」

中国初の空母、遼寧号が建造された遼寧省の大連造船所のクレーン=大連/ソンヨンチョル特派員

-9月3日に北京で開かれる抗日戦争勝利70周年記念行事に金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国防委員会第1委員長が参加することはあるのか?

 「絶対参加しないだろう。金正恩は中国に来たくないだろうし、中国も内心では彼を招請したくない。中国が最も重要視する目標は朴槿恵(パク・クネ)大統領が参加することだ。朴大統領の出席の有無に行事の成功の可否がかかっているといっても過言ではない」

北京/ソン・ヨンチョル特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-11 20:12

http://www.hani.co.kr/arti/international/china/704041.html訳Y.B

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue