一週間に100時間に達することもある病院専攻医の過度な勤務時間が、患者の安全を脅かすという指摘が相次ぎ、専攻医の勤務時間を減らす内容の法案が発議された。
国会保健福祉委員会所属のキム・ヨンイク新政治民主連合議員が先月31日発議した「専攻医の修練環境改善および地位向上のための法律案」(専攻医特別法)は、専攻医の勤務時間を一週間で最長80時間に制限し、これを守らなかった修練病院を処罰できる根拠を用意した。
2010年、過度な業務と睡眠不足に強いられた専攻医が、静脈に投与する抗癌剤を脊髄腔に誤って投与し、白血病を治療中に死亡した9歳のチョン・ジョンヒョン君事件が直接の契機になった。その後、専攻医の過剰な勤務時間を減らさなければ患者の安全を確保できないという声が広がった。
高麗大のキム・スンソプ教授チームが6月に発表した論文「韓国専攻医の勤務環境、健康、認識された患者安全」によると、インターンやレジデントの専攻医の週当り平均勤務時間は93時間に達する。これは韓国労働者の週当り平均労働時間(41時間)より2倍以上長い。外国と比べても国内専攻医の勤務時間は過度に多い。米国のインターンの週当り平均勤務時間は64時間(2011年)、オーストラリアの専攻医は55時間だ。
このような勤務環境のため国内インターンの13.8%とレジデント8.7%が「医療過失を犯したことがある」と答えた。また、インターンの89.3%とレジデントの68.6%は「勤務時間にうとうとした経験がある」と答えた。
専攻医の勤務環境が問題視されると、保健福祉部は昨年7月から規定(専攻医の修練および資格認定などに関する規定)を変え、週当り最長88時間まで勤務するようにした。しかしこれを守らなくても制裁する手段がないばかりか、働き手が足りない病院の現場では“ニセ勤務表”を作って提出する抜け道が横行する。ソン・ミョンジェ大韓専攻医協議会長は「実際の勤務時刻表と上級機関に報告する勤務表を別に作る専攻医がたくさんいる」とし「追加人材の拡充がなければ専攻医の勤務時間を減らすのは現実的に容易ではないこと」と語った。
イム・ウルギ福祉部医療資源政策課長は「法律案の全般的な方向には共感する」としながら「特別法が望ましいのか既存医療法に反映するのが良いのか検討が必要だ」と話した。
韓国語原文入力:2015-08-02 20:07