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ソウル市が低家賃の「考試院」を改造しシェアハウス事業推進

登録:2015-07-16 20:38 修正:2015-07-17 10:15
 「旅館などと共に買い入れリモデリング
 10年以上の独居者に市場価格の70%水準で賃貸」
 買い取り・改造費として86億ウォン予算策定
新林洞に密集する考試院=資料写真//ハンギョレ新聞社

 住宅がない人たちが主に利用する低家賃の「考試院」やモーテルを、ソウル市が買い取り「公共シェアハウス(共有住宅)」として供給する方案が推進されている。近隣の考試院相場の70%水準で単身世帯に供給するのが狙いだ。

 ソウル市関係者は15日、「考試院を買い取って寮に用途変更し、トイレ・居間などの共用空間を最大限に拡張して共同で使うシェアハウス形式にリモデリングして、10年以上の独居者に供給する方案を推進中」と明らかにした。この関係者は「正常ではない住居に長期滞留する人たちの住居水準を向上させるため、モデル事業実施後に事業モデルを開発する計画」と付け加えた。

 ソウル市が推進する“考試院公共住宅”は、専用面積6.5平方メートル(1.96坪)の35室で構成される。 長期居住が可能な30人以上が集まって暮らす共有住宅(シェアハウス)で、住居福祉とコミュニティの造成が同時に摸索される。 6.5平方メートルは英国の多重住宅の最小面積だ。 韓国国内の考試院の大部分は、1室当たり5平方メートル(1.51坪)に満たない。 ソウル市はこの共有住宅をSH公社が直営したり、社会的企業が委託管理する方案を構想中だ。

 現在、考試院はすでに月間賃貸料が30万~40万ウォン(約3万2000円~4万3000円)に達しているが、法律上は“準住宅”に分類されており、安全管理がなされるだけで住居福祉や公共管理対象としては扱われない。 ソウルだけで考試院居住者が13万8805世帯と把握され、2004年の2621カ所から10年も経たずに5000カ所を超えた。

 また、ソウル市は老朽化した旅館・旅人宿を買い取り2~3人世帯を対象にした多重住宅に改造・賃貸する方案も推進している。 市は“考試院1号住宅”を買い取り・改造費22億5000万ウォンを含め、この事業の予算として2016~17年に86億ウォンを策定した。

 ソウル市は「ロースクールの施行以後、冠岳区新林洞の考試院の空洞化が発生し、郊外地域の宿泊施設も老朽化し空室量が増加している。 共有型公共賃貸事業の場合、ワンルーム型住宅を買い取り単身世帯に賃貸する費用で2~3世帯に提供でき、地域社会の活性化も可能だ」と話した。 市はこれと共に準住宅を公共賃貸住宅に含めるよう“公共住宅建設特別法”の改正を中央政府に要請する方針だ。 このように改正されれば、準住宅を買い取る際も政府の財政支援を受けることができる。

イム・インテク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/700502.html 韓国語原文入力:2015-07-16 02:56
訳J.S(1276字)

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