セントゥロンFISU事務総長宛てにメール
北3月には「選手団108人派遣」
今月初めの締め切りに名簿出さず
組織委「残念…最後まで参加期待」
光州市民もため息「心が痛む」
統一部「国連機構設置は問題にならない」
北朝鮮が国連の北朝鮮人権事務所ソウル開設を理由に光州(クァンジュ)夏季ユニバーシアード(7月3~14日)への不参加を通知してきた。北朝鮮の光州ユニバーシアード参加を南北交流再開のきっかけにしようとしてきた政府構想への支障も避けられなくなった。「平和の祭典(ピースバシアード)」を熱望した光州市民は、「不信と軋轢」から抜け出せなかったと残念さを隠せなかった。
2015年光州夏季ユニバーシアード組織委員会(組織委)は22日、記者会見で北朝鮮の不参加通知事実を公開した。組織委は「北朝鮮が『今回の大会に参加できない。理由は国際連合人権最高代表事務所(OHCHR)北朝鮮人権事務所をソウルに開設したため』と通知をしてきた」と明らかにした。北朝鮮が問題にした事務所は、北朝鮮の人権状況を監視して記録するため、23日にソウル・鍾路(チョンノ)区にオープンする。
北朝鮮は19日午後6時31分、チョン・グッマン朝鮮大学生体育協会委員長名義の電子メールを送ってきた。受信人は組織委関係者ではなく国際大学スポーツ連盟(FISU)のエリク・セントゥロン事務総長と記されていた。だが、国際大学スポーツ連盟側にはこのメールが到着していないことが分かった。
この日、パク・ジュソン新政治民主連合議員(光州東)が公開した北朝鮮の電子メールによれば、北朝鮮は「私たちが繰り返し警告してきたにもかかわらず、南側政府は軍事的対立を続け、ソウルに北朝鮮人権事務所を設置する発表をした上、人権問題を持ち出して南北関係を極限に追いやった」と不参加の理由を説明した。
組織委員長のユン・チャンヒョン光州市長は「北朝鮮の不参加に遺憾を表明する。開かれた心で最後まで北朝鮮の参加を期待して要請する」と述べた。
北朝鮮が国連人権機構ソウル事務所開所を不参加の理由にしたことについて、イム・ビョンチョル統一部広報官はこの日の定例ブリーフィングで「人権は人類の普遍的な価値の問題であり、今回の国連人権事務所のような国連国際機構を我が国に設置するのは問題にならない」と述べた。
北朝鮮が参加しなければ、組み合わせ抽選を終えた女子サッカー・ハンドボールなど団体競技の対戦表を組みなおさなければならない。北朝鮮は3月、陸上、ダイビング、器械体操、新体操、卓球、柔道の個人6種目と女子サッカー・ハンドボールなど団体2種目に選手75人と役員33人で組まれた選手団108人を派遣すると知らせてきた。だが、3日の選手団名簿(エントリー)提出締め切り日に続き15日の追加締め切り日にも参加者名簿を提出しなかった。
北朝鮮の不参加通知事実が知られ、光復(解放)70周年を迎えてピースバシアードを期待した光州市民の間ではため息がもれた。「5月お母さんの家」のアン・ソンレ人権図書館長(78)は「どんなに良い話でも時というものがある。南北青年たちの体育交流が政治的な力比べで失敗に終わって心が痛む」と話した。
韓国語原文入力:2015-06-22 21:28