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朴大統領、MERS危機で早期レームダック化か

登録:2015-06-15 00:09 修正:2015-06-15 09:07
 大邱・慶北・60代以上除いて支持率悪化
 「政治的危機の克服は難しい」との指摘も
朴槿恵大統領をはじめとする国務委員が14日、MERSに関連して病院と市場など現場をいっせいに訪ねた。ソウル大病院MERS隔離病棟を訪ねた朴大統領=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 MERS事態がもたらした政治的危機を朴槿恵(パク・クネ)大統領は克服できるだろうか?キム・ヒョンジュン明知大学教授は「今回は難しいだろう」と予想した。理由を尋ねた。

 「セウォル号や秘線(隠密の実力者)に関する文書事態は、悲しみと怒りを呼び起こしたが、国民一人ひとりである“自分”とは直接関連がなかった。しかしMERS事態は、その“自分”に直ちに大きな被害をもたらしている。それでも無能な大統領と政府は懺悔する態度を示さない。それにMERS事態はしばらく続くだろう」

 朴槿恵大統領の支持率は、これまで一定のパターンで浮き沈みを繰り返してきた。悪材料があれば下落し、選挙で勝てば上昇した。朴槿恵大統領は昨年4月のセウォル号事故、年末年始の秘線の国政介入疑惑、今年4月のソンワンジョン・リスト事態をそう乗り越えてきた。

 ところが、MERS事態は悪材料を超えた超大型災害である。国民の生命と経済に及ぼす影響があまりにも大きい。MERS事態が終わっても支持率の回復は困難であると思われる。これまで朴槿恵大統領と官僚の素顔を国民が十分に見たからだ。しばらくは選挙もない。したがって朴槿恵大統領は、一歩間違えれば早期レームダックを迎える可能性もある。執権3年目の前半にレームダックとは前例がないことだ。レームダックは国政運営の動力を失うことを意味する。朴槿恵大統領が14日、休日としては異例にもMERSに関連した積極的な日程を組んだのも、このような流れを懸念したためであろう。

 韓国ギャラップが、12日に発表した大統領の職務遂行評価は「よくやっている」33%、「間違っている」58%だった。 1週間前に比べて肯定的な評価は1%ポイント下落し、否定的な評価は3%ポイントも上昇した。大統領支持率を定期的に調査する政治学者たちは、30%を朴槿恵大統領の「不動支持層」として捉えている。 33%という数値は、ほぼ底打ちを意味する。支持率が30%を下回ると、「不動支持層」までもが崩れ、朴槿恵大統領は政治的な没落を迎える可能性もある。

 韓国ギャラップの調査で最も目を引くのは、50代の世論の急激な変化だ。50代は1週間前の調査では、「よくやっている」50%、「間違っている」39%と回答した。しかし、1週間後には「よくやっている」39%、「間違っている」52%で評価が逆転した。

 50代は、釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶尚南道とともに、これまで朴槿恵大統領の支持層の“外郭”を固めていた勢力だった。ハンギョレ社会政策研究所のハン・グィヨン所長は「50代と釜山・蔚山・慶尚南道での支持率下げ幅が過去に比べて目立つ」とし「朴槿恵大統領の支持層の外郭が崩れている兆しとかもしれない」と説明した。

 50代と釜山・蔚山・慶尚南道が変われば、朴槿恵大統領の支持層は「60代以上」及び「大邱(テグ)・慶尚北道」だけが孤立する。今回の韓国ギャラップの調査で、60代以上は「よくやっている」66%、「間違っている」26%だった。大邱・慶尚北道は「よくやっている」55%、「間違っている」37%だった。

ソン・ハンヨン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-06-14 20:03

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/695912.html  訳H.J

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