世界最高水準の医療システムを整えたと自負してきたサムスンソウル病院が、病院搬送要員(137番目の患者)が感染確定前に緊急治療室のほか病棟で多くの人と接触した事実が明らかになったことを受け、部分閉鎖措置を実施した。
サムスンソウル病院からの中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの拡散が制御不能状態に陥る可能性もあり、その責任を回避しようとするものと見られる。既にこの病院で最も多くのMERS確定患者が出たうえ、ここで感染した患者たちは全国各地で「3次流行」を引き起こす雷管と指摘されている。これまで「スーパースプレッダー」とされた14番目の患者がMERS確定判定を受けて追加の感染者が続出してからも、特に患者の診療を制限していなかったサムスンソウル病院の態度が変わったのは、137番目の患者からだ。
この患者が病院内の入院患者・医療スタッフを感染させる「4次感染」を発生させた可能性が浮上したことから、中央MERS管理対策本部の官民合同タスクフォース即刻対応チームは、今月13日の夜、「病院内におけるMERS感染拡大の再発防止のために可能なすべての手段を動員し、特段の対策を講じること」を、同病院に指示した。これに対し、サムスンソウル病院は、2時間後に「病院の部分閉鎖」を決定した。サムスンソウル病院のソン・ジェフン院長は14日、記者会見を開いて「新たに救急救命室の移送要員の感染が確定し、従来の方法では対処が難しいと考えて措置を行った」と説明した。
サムスンソウル病院は、この日から24日までに新規患者の外来診療と入院を受け付けない。再診患者には、24日以降に予約を延期することを勧めている。ただし、緊急時や癌患者など、状態が重篤な患者の場合は予定通りの手術を行う。入院患者が別の病院への転院を希望する場合は、積極的に支援する方針だ。 24日以降は対策本部と協議して、運営の正常化を議論する計画だ。
火種は周囲の病院に飛び火している。ソウル江南(カンナム)のある大学病院院長は「サムスンソウル病院から転院してくる患者の感染の有無を信頼できない状況で、無条件に患者を受けいれることはできない」とし「サムスンソウル病院で入院治療を受けた患者は、診療しないのが最善だ」と述べた。患者が放置される状況が発生するおそれが出てきたことを受け、クォン・ドクチョル対策本部総括班長はこの日、「診療拒否行為」としての処罰もあり得ると警告した。サムスンソウル病院は、一日の緊急治療室の利用患者が200人、外来患者は8000人に達する「ビッグ5」の大型病院で、1959床の病床があり、14日基準で829人の患者が入院している。
韓国語原文入力:2015-06-14 20:08