韓国にとり日本、日本にとり韓国は?
韓日の歴史で一貫する問いだ。その時代、人により、様々な答えが出されてきた。日帝強制占領期の「大韓独立軍歌」は日本を「あくどい敵」と呼んだし、当時の日本にとり朝鮮(韓国)とは、滅び去った国、植民地に過ぎなかった。そして光復(解放)後の20年間は未修交状態が続いた。両国は今も互いに敵対国であり、嫌いな国であり続ける。1962年6月11日付京郷新聞は「韓国人が最も嫌いな国は日本」と報じた。
1965年6月22日の外交関係樹立と共に、韓日関係も新たな段階に入り込む。「近くて遠い隣人」は、過去の歴史を急いで繕ったこの時期の韓日関係を形容する言葉だった。そして国交50周年を迎える今に至るまで、この状態を越える関係を実現させるのに両国とも失敗を重ねてきた。21世紀に入り、前より少し“近い隣人”として互いが近付こうとしたことはあった。しかし過去の歴史と領土の問題が大きくなる度に、好感度の上昇の動きはまっさかさまに落下した。韓国人と日本人の相互認識調査結果は、漸進と断絶、後退が繰り返されてきた韓日関係の歴史と現実を冷静に示してくれる。
ハンギョレは1965年の修交以来、韓国と日本国民が互いをどう認識してきたか示す各種世論調査を総合分析した。1978年から毎年日本人を対象に「韓国に対する親近感」を尋ねた日本の内閣府調査、1984年から5~6年単位に、また韓日ワールドカップなど特定の機会に合わせて両国国民の相互認識を質問してきた東亜日報と朝日新聞の共同世論調査、最近3年間連続で実施された韓国の東アジア研究院(EAI)と日本の言論NPOの相互国民認識調査などを対象にした。分析結果は、修好半世紀を迎えた韓日関係に、今も尖鋭な葛藤要因と困難な課題が残されたままでいることを物語る。
最も新しい調査は東アジア研究院・言論NPOの第3回共同調査だ。今年4~5月に実施され、5月29日に東京で発表された。同調査で、韓国人の半分以上が日本を「軍国主義国家」、日本人の半分以上が韓国を「民族主義国家」とみなしていた。相手国の社会・政治体制の性格について三つを選んでもらったところ、韓国の回答者の56.9%が日本の「軍国主義」を挙げ、34.3%が「覇権主義」を選んだ。「民主主義」を想起させた比率は22.2%、「平和主義」は4.2%に過ぎなかった。日本の安倍晋三政権の右傾化基調に対する韓国民の否定的認識が投影されたものと分析される。
日本の年次調査で1999年が分岐点となり
韓国好感の比率が非好感追い抜く
日本の大衆文化開放措置を機に
柔軟な過去の歴史への対応で上昇の勢い
2012年を境にまっさかさまに墜落
朴槿恵政権になっても冷却期が続く
韓国の日本好感度1984年に23%
2011年末には12%まで大きく落ち込み
最近の調査で過半数が相互に否定的認識
韓国では日本に「軍国主義国家」の視点
日本は韓国を「民族主義国家」
起伏激しいが長期的には発展傾向
韓日関係は貴重な資産との分析も
韓国に対する日本人の認識も否定的だった。日本の回答者の55.7%は韓国に対して「民族主義」、38.6%は「国家主義」を挙げた。 民主主義は14%、平和主義は6.6%にとどまった。前年より民族主義との認識の比率は増え、民主主義を挙げた比率は減った。安倍政権は4月、「外交青書」で韓国を民主主義価値を共有する国家名簿から外している。日本国民の間でも韓国が民族主義と国家主義を追求し、日本に不当な過去の歴史の圧迫を加えているという認識が広がっていることを示す。
相手の国を否定的に見る比率は両国ともに半分を超えた。相手国に対する印象を尋ね、韓国の回答者72.5%と日本の回答者52.4%が、それぞれ「良くない」と答えた。「良い」という回答は韓国人15.7%、日本人23.8%だった。互いに否定的印象を持つことになる背景は、やはり過去の歴史と領土の問題だった。韓国人回答者の74%は「日本が侵略の歴史に対してまともな反省をしていないため」と指摘した。「独島(日本名:竹島)問題のため」とする回答も69.3%だった。日本人回答者は74.6%が「韓国が歴史問題などで日本を批判し続けるため」と、36.5%が「独島問題のため」と答えた。
相手国を否定的に見る比率が両国ともに過半数を占める状況は、2012年以後に改めて深刻になった両国関係の急速な冷却を反映する。それ以前までの韓日関係は21世紀に入り、時に葛藤を生じながらも、全般的には着実に改善される流れにあった。
日本の内閣府が例年実施する世論調査によると、1999年を分岐点として「韓国に親近感を感じる」(48.3%)とする日本国民の比率が「親近感を感じない」(46.9%)を上回る。李明博(イ・ミョンバク)政権時の2009年には「親近感を感じる」が63.1%で歴代最高値を記録した。2010~2011年に連続60%を上回ったこの比率は、独島・慰安婦問題などで韓日葛藤が本格化し始めた2012年に39.2%に落ち込んだ後、2014年には31.5%にまで下がった。調査開始から36年間で最も低い数値だ。今年の調査はまだ実施されていない。
韓国には内閣府調査と直接比較するほどの年次調査はない。その都度行われてきた東亜日報・朝日新聞共同調査によれば、1984年に日本が「好き」と答えた韓国人は22.6%、「嫌い」と答えたのは38.9%だった。最後に行われた2011年末の調査(2012年1月発表)では、韓国人のうち日本が「好き」が12%、「嫌い」が50%だった。2013年に始まった東アジア研究院・言論NPOの年次相互認識調査では、同年「日本に良い印象を持っている」とした韓国人は12.2%、「良くない」が76.6%と調査された。直接の比較は難しいが、2012年を基点に韓日関係の悪化と相手に対する否定的認識の増加が同時に進んだと類推される。
2011年末の李明博大統領と野田佳彦首相の京都での衝突、2012年8月10日の大統領の電撃的な独島上陸が、韓日関係の屈折点になったと見る専門家は多い。これに先立つ盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で起こった日本国内での韓流ブームと、韓国の柔軟な過去の歴史に対する対応などで、韓日関係は上昇気流に乗っていた。だが、当時の小泉純一郎首相の相次ぐ靖国神社参拝などで、2005年から再び冷却しだした。2008年の李明博政権のスタートを機に、新たに明るい兆しを見せた韓日関係は、2011年12月18日の京都首脳会談で李大統領と野田首相の間で「慰安婦」問題の舌戦が繰り広げられ、乱気流に巻き込まれた。さらに2012年に李大統領が韓国首脳として初めて独島を訪問し、両国関係は急激に凍りついてしまう。日本政府は独島問題の国際司法裁判所(ICJ)提訴を提起し強硬に対応した。李大統領はこれを一蹴する一方、独立活動家に対する天皇の謝罪要求カードまで持ち出した。これを機に日本国内の嫌韓気流が本格的に台頭し、これに対する反発で韓国内の反日感情が高まる悪循環が繰り返された。その結果が、前年より23%落ち込んだ2012年の内閣府の「親近感」の調査数値だ。
これに加え慰安婦問題での国家責任論の希薄を試みる安倍晋三政権と、慰安婦問題の解決なしに韓日首脳会談はないとする朴槿恵(パク・クネ)政権がほぼ同時にスタート。外交問題で「朴大統領と安倍首相」は「李大統領と野田首相」より強硬な組み合わせだ。韓日関係は泥沼から抜け出せずにいる。
ただし人的往来と文化交流など、民間協力が着実に底辺を広めているという点は、韓日関係の支えとなる。韓日関係の肯定的な屈折点と記録された1999年以来続く流れだ。金大中(キム・デジュン)大統領は、その直前の1998年10月に日本を訪問した直後、修交以来初めて日本大衆文化を開放する破格の措置を下した。韓国人が日本人と日本社会を理解するのに大きな役割を果たし、特に若年層を中心に日本に対して好感を持たせる契機になった。また、日本でも「冬のソナタ」、アイドルグループ「東方神起」など韓国のドラマ・歌謡などを楽しむ韓流が本格的に広がり、両国民の理解度と好感度を高めた。1999年以後の内閣府調査で「韓国に対し親近感を感じる」が「そうでない」を逆転する長期的推移変動がなされたのは、こうした背景があった。
今後も韓日関係がもう一度、肯定的な長期反転の序幕を開くかどうかは、過去の歴史と領土の問題に対する正しく繊細な接近と共に、国民の間の理解と共感の拡散にかかっている。チョ・セヨン東西大特任教授は「韓日両国の国民感情は短期的には起伏が激しいが、大きな流れでは明確に堅実な発展を見せている。これが50年の韓日関係で蓄積された最も貴重な資産」と評価した。
韓国語原文入力:2015-06-04 21:32