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「国会法改正案受け入れられない」…朴大統領が拒否権行使を予告

登録:2015-06-01 22:13 修正:2015-06-02 07:38
 拒否権行使の予告で6月政局に戦雲漂う
 野党「立法府との戦争宣言」
 国会事務処「改正案に問題はない」
朴槿恵大統領が1日午前、大統領府で首席秘書官会議を主宰するために席に向かっている。朴大統領は、いつもと違って多少固い表情で会場に入った=青瓦台写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が1日、施行令などの政府の行政立法について国会が修正・変更を要求できるようにした国会法に対し、拒否権を行使する意向を示唆した。野党が「立法府との戦争宣言」と強く反発している中、与党内部からは国会法改正を主導したセヌリ党のユ・スンミン院内代表への攻撃が相次いでいるが、国会は「違憲ではない」という立場を明らかにした。朴大統領が拒否権を行使した場合、国会法の議論は、大統領府と野党、与党と野党という通常の対決局面だけでなく、与党内部の大統領府・親朴と非朴指導部の対立はもちろん、大統領府と国会の対決まで一気に広がる可能性もある。

 朴大統領は同日、大統領府で首席秘書官会議を主宰した席で、今月29日賛成211人、反対・棄権33人で本会議を通過した国会法について「国政は、結果的に麻痺状態に陥り、政府の無力化か必至のため、政府としては今回の国会法改正案を受け入れることはできない」と述べた。来月5日頃政府に送付される国会法について、朴大統領が拒否権を行使したり、憲法裁判所に権限争議審判を請求する可能性を示唆したものと解釈される。朴大統領は、国会法改正の過程についても「公務員年金と関係のないセウォル号特別法施行令の問題を連携させ、違憲論議をもたらす国会法まで改正した」とし、野党の要求を呑んだ与党院内指導部への強い不満を示した。

 セヌリ党の中でも、この日キム・テホ最高委員が最高委員会途中に「ユ・スンミン院内代表体制が発足してから、大統領府と党の対立はますます深刻になっている」と、ユ院内代表の面前で批判するなど、ユ院内代表への攻撃が相次いだ。ユン・サンヒョン議員など親朴槿恵氏系議員たちは2日、国会法の違憲可能性をテーマにフォーラムを開くことにするなど、ユ院内代表に対する圧力を強めている。党内では、「親朴による“ユ・スンミン降ろし”が本格化するのではないか」という見方もある。

 ユ院内代表は、朴大統領が拒否権行使を示唆した発言に対し、反論を控えて「大統領府と事前の相談はなかった。私どもも(もう少し)考えてみる」とだけ述べた。

 野党は朴大統領の発言に強く反発した。キム・ヨンロク新政治民主連合首席報道官はコメントを出し、「事実上(立法・司法・行政)権力をほぼ独占している朴大統領が、三権分立を云々する資格があるのか疑わしい」とし「『国会法改正案を政府は受け入れることができない」という朴大統領の発言は、立法府との戦争を宣言したもの」だと反発した。同連合は、朴大統領が改正国会法に拒否権を行使し、国会に再議を求めてきた場合は、今月初めに予定されているファン・ギョアン首相候補の聴聞会はもちろん、6月の臨時国会議事日程にも協力できないという立場を示している。

 同連合関係者は、「大統領が再議を必要とするなら、実質的に立法権を無力化するということ」だとし「このような状況で国会を開いて与党と議題を議論するのに何の意味があるのか」と述べた。

 行政立法の国会の修正・変更要求権が強制を持つかどうかについて、セヌリ党は「強制性はない」(ユ・スンミン院内代表)と主張しているのに対し、同連合は「強制力を持たせたのが国会法の趣旨」(文在寅)と対抗しており、与野党間の折衝も容易ではない状況だ。

 このような状況の中、国会事務局は同日、「国会法改正案の本会議議決関連の検討」という資料を出し「法律の委任から離れた行政立法を合理的に修正することにより、国会の立法権を確保しようとするもの」とし、「政府の行政立法権の侵害ではなく、大法院(最高裁)の審査権との衝突しない」と、改正国会法に問題がないという見解を明らかにした。ここには、チョン・ウィファ国会議長の意向が反映されたと伝えられた。

 このような議論について、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表は、「大統領の言葉は、十分な検討の結果であると考えており、大統領の意向と党の意向が異なることはあり得ない」と強調し、「憲法学者を呼んで違憲かどうかを議論し、議員たちにも理解してもらう過程を経るつもりだ」と述べた。

ファン・ジュンボム、イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-06-01 20:09

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/693768.html  訳H.J

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