29日、公務員年金法改正案が国会を通過したが、大統領府とセヌリ党指導部は国会法改正案処理を巡り「三権分立の背反」で論議を呼ぶなど、今月初めに「国民年金所得代替率50%明記」の問題で起きた党・大統領府間の軋轢を再現する様相を見せた。
金武星(キム・ムソン)代表とユ・スンミン院内代表の非朴槿恵(パク・クネ)系指導部と大統領府との間の軋轢を露出させ、ますます疎遠になる様相だ。 この日、大統領府がキム・ソンウ広報首席を通じて「憲法上の権力分立の原則に背く素地がある」と不満を示すと、ユ・スンミン院内代表は「どの部分が三権分立に背くというのか理解に苦しむ」と神経質な反応を見せた。
今月2日、与野党代表が公務員年金法改正案の合意過程で「国民年金所得代替率50%に引き上げ」原則に合意した際も、大統領府と党内親朴槿恵系議員が“越権”だとしてブレーキをかけ、合意を覆したことがあるが、今回もそっくり同じ状況が広がった。
当時、親朴系のユン・サンヒョン議員が議員総会で問題提起をして、親朴系議員が相次いで同調発言をして事実上枠組みをひっくり返し「大統領府の意向ではないのか」という解釈を生んだ。 28日夜の議員総会でも親朴系議員の中心であるキム・ジェウォン議員が、国会法改正案反対の意向を表明し、親朴系議員がこれを支援する同じ状況が広がった。 偶然にもユン・サンヒョン議員とキム・ジェウォン議員は二人とも大統領府政務特別補佐官だ。 国会法改正案の本会議表決で反対票(キム・ジェウォン、ユン・サンヒョン、キム・テフム、キム・ヒョンスク)や棄権票(ソ・チョンウォン、イ・ジョンヒョン)を投じた議員たちにも親朴系が大挙含まれた。
この日、ユ・スンミン院内代表とキム・ソンウ大統領府広報首席の公開的な立場表明の後に、二人はこれ以上の舌戦を自制して、党・大統領府や非朴・親朴の衝突様相が表面化することはなかった。 だが、31日に予定されている党・政府・大統領府の政策調整協議会も延期されるなど内部では一層冷えこんでいる雰囲気だ。 院内指導部のある関係者は「これまで大統領府が了解して公務員年金法を処理したならば、今回国会法改正まで野党に渡すことはなかったはず」とし「大統領府があまりに硬直している」と不満をぶちまけた。 この関係者は「大統領府は『野党の要求は聞かずに、大統領府の要求だけを貫徹してほしい』と言っているようなものだ、交渉事なのにそうはできない」として「今後も大統領府に従うよりは金武星・ユ・スンミン指導部が融通性と政治力を発揮して野党と解決していくしかない」と話した。