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「最低賃金1万ウォン」クォン・ムンソク氏の夢、今は…

登録:2015-05-30 01:45 修正:2015-05-30 08:10
32団体、2周年控え要求行事
 今年は民主労総も主要要求に
 野党など政界からも共感の声
アルバ連帯クォン・ムンソク前スポークスマン =アルバ連帯提供//ハンギョレ新聞社

 「最低賃金1万ウォン」のクォン・ムンソク氏の夢は叶えられるか。

 29日午後、ソウル・新村(シンチョン)の現代百貨店ユーフレックス前広場では、民主労総、韓国労総、アルバ連帯、参与連帯、正義党など32団体が参加した「最低賃金連帯」が、最低賃金1万ウォンを要求するコンサートと署名運動を行った。 通りがかりのイ・ヒスさん(59)は、イベントの趣旨を聞いて「私も署名を集めてくる」と言って署名用紙を一束貰っていった。彼女は「最低賃金1万ウォンは無理な要求ではない。国民所得が3万ドルに向かっていると言われても実感のない状況で、最低賃金を上げる形で賃金を分かち合う方法に共感する」と話した。

 最低賃金1万ウォン(時給約1100円)に対する市民の関心を見守るアルバ連帯関係者たちの感慨は格別だった。 最低賃金1万ウォンを目標に掲げてアルバ連帯を作ったクォン・ムンソク前スポークスマンが35歳で亡くなって2年を迎えようとしているためだ。 2013年、アルバ連帯の最初の記者会見には記者が1人も現れず挫折を味わったクォン前スポークスマンは、その年の6月2日に心臓マヒで亡くなった。 一緒にアルバ連帯を作ったク・キョヒョン委員長は「当時は最低賃金数百ウォンの引き上げを巡って熾烈な戦いを行った進歩陣営でも、彼が掲げた最低賃金1万ウォンは行き過ぎた理想論として受けとめられた。 依然として障害物は多いが、それでも労働界と市民団体が共感して一歩ずつ進んでいる感じ」と話した。

 最低賃金1万ウォンが本格的に関心を集めることになったのは昨年からだ。 最低賃金連帯は昨年6月、最低賃金1万ウォンという目標を反映させるため雇用労働部傘下の最低賃金委員会に「6700ウォン以上」の引上げ案を出した。 最低賃金連帯と民主労総は今年から最低賃金1万ウォンを主要要求事項に掲げた。 国会でもイ・インヨン新政治民主連合議員とシム・サンジョン正義党議員を中心に最低賃金1万ウォンを主張する声が出てきている。 今年の最低賃金は時間当り5580ウォン(約610円)だ。

 この日の行事に参加したチョン・ホソン正義党代表は、「最低賃金1万ウォンは『所得主導経済』に向かう出発点だ。 労働市場で“丙”とみなされる最低時給労働者の賃金を上げるには、“乙”である下請け業者や自営業者の状況を改善しなければならず、そのためには“甲”も変化するほかはない」と話した。クォン氏の追悼事業会は31日午後2時、ソウル・鍾路(チョンノ)区の永豊文庫前で2周年追慕祭を開く。

パン・ジュノ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/693497.html 韓国語原文入力:2015-05-29 22:05
訳J.S(1289字)

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