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2010年、青少年人権活動家たちが 「アリババ」(「バイト生の権利、今すぐ、ここで」の意味。 韓国語でアルバクォルリ、パロチグム、パロヨギの頭文字を取ったもの)キャンペーンを展開し、最低賃金の引き上げを要求している＝青少年労働人権ネットワーク提供//ハンギョレ新聞社

平均、活動８年で基本給 107万ウォン
最低賃金 116万ウォンにもならず
「４大保険加入」は 10人中6人だけ
30％は「10年後の活動は分からない」
適正賃金 月平均166万ウォンと答え
医療補助・安息年などの支援も望む
「社会的基金など作るべき」との指摘も

　「若い活動家たちが集まれば、こんな話をします。 私たちがこの活動ををいつまでできるだろうか。 このお金では恋愛もできないし、結婚は、そして子供はどうして生めるだろうか…」 (地域人権団体所属、活動９年目)

　「人間らしい暮らし」を要求する人権活動家たちは、自身の生活については肩身の狭い思いをすることが多い。 彼らに依拠する人々さえ、彼らがどんなお金で活動し、生計をどうやって立てているかについてはあまり関心がない。 政府や企業の支援を受けないので、ぎりぎりの後援金を細かく振り分けて使う。 人権に関心を持つ人は多いが、活動家の数はいつも足りず、長時間の“人権労動”を招いている。

　人権運動と団体を支援する「人権センター 人」(理事長イ・イリョン)が人権活動家の生活実態を調査した報告書を、28日発表した。 1月から３カ月間、全国41の主要人権団体の活動家76人にアンケート調査を行い、そのうち10人に対しより詳細な面接を行なった結果である。

　人権活動家が最も急を要する問題として挙げたのは、法定最低賃金にも及ばない“活動費”だ。 平均活動期間８年、平均年齢34.8歳の人権団体専従活動家の月平均基本給は107万ウォンに過ぎなかった。 法定最低賃金である月116万ウォンにも及ばない。 10人中４人(42.1%)は基本給が月100万ウォン（約11万円）にもならず、賞与は年平均36万ウォン（約4万円）に過ぎなかった。

　大半の人権団体は、会員の後援金と自ら行なう収益事業で財政をまかなう。 後援が少ない場合、事務室賃貸料と事業費など固定支出があるので活動家の給与は低くならざるを得ない。 低い給与は人権運動への進入の“敷居”を高める障害物となる。 ある障害者団体の活動家は 「活動家を採用しようとしたら最低賃金水準には合わせなければならないのだが、学資金貸出しなど借金を抱えてソーシャルライフを始める人たちがこの程度の給与で生活することは難しいのが実情だ」と話す。

　このため、活動家たちは“消費のない暮らし”で切り詰めた生活をする。 献身と犠牲の別名だ。 調査に応じた活動家の月平均生活費は 111万ウォンである。 住居費、医療費、食費など基本的な支出すら困難な状況だ。 10人中２人(22%)は貯金も保険加入もできないと言った。 所属団体が４大保険に加入しているという回答者は10人中6人(59.7%)に留まる。

　劣悪な環境にも拘らず、相当数の活動家が高い使命感を見せている。 「１0年後も人権活動をするか」という問いに、半数を超える44人が 「できる限り持続したい」(57.9%)と答えた。「必ずする」という回答者も７人(9.2%)いた。しかし、「続けたいが、どうなるか分からない」(21人・27.6%)、また「続けるつもりは全くない」(1人)という回答もあった。 その理由としては 「生活維持が困難なほどの収入」、「活動の展望が見えない」、「長時間労動」 など“労動環境”を主に挙げた。

　活動家たちの希望は素朴なものだった。 彼らが考える適正賃金は月平均166万ウォンである。 社会的基金などを通しての活動費補助、定期検診など医療補助、再充電のための安息年(有給サバティカル)などの支援策が欲しいと答えた。 人権懸案が発生する度に起伏の激しい活動時間、成果が出るまで長時間を要する人権運動の特性、これに伴う情緒的消尽のため、再充電のための安息年が必ず必要であると言った。

　「人権センター 人」は人権活動家への支援策として、社会的基金作りと人権団体に事務空間を支援する公的支援サービスなどを挙げた。 パク・ネグン所長は「苦痛を受けている現場では常に見えないところで人権活動家が活動してきたが、経済的理由などで意志があっても活動できないケースが発生している。韓国社会の人権後退を阻むために人権運動の大切さに対する社会的共感を作り出すことが重要だと思う」と語った。