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無理を承知で“留学生誘致”に乗り出す韓国教育部

登録:2015-05-24 23:44 修正:2015-05-25 12:58
 大学構造改革法を用意し
 評価基準に「誘致促進案」検討
 卒業後の韓国内就職が難しく
 外国人留学生は毎年減少
 自主評価でも実現困難
 失敗した政策を反省せずに強行
年度別外国人留学生数 (単位:人) //ハンギョレ新聞社

 卒業後の韓国内での就職が困難なため、毎年、韓国の大学の外国人留学生が減っているにもかかわらず、教育部が大学構造改革の評価項目に留学生誘致方案を含めようとし「自主評価でも失敗と結論が出た政策を、反省せずに押しつけている」という批判を呼んでいる。

 24日、教育部とチョン・ジンフ正義党議員の説明を総合すると、教育部は6月の臨時国会に提出する「大学評価および構造改革に関する法律案」(大学構造改革法)を用意し、該当法案に「外国人留学生誘致促進方案」を評価の一つの軸として盛り込むことを検討している。 大学構造改革法の制定は、学齢人口減少に対処するためのもので、大学評価で低い点数を受けた大学に対しては定員縮小など構造改革を断行する内容を含んでいる。

 今年4月の臨時国会でセヌリ党のキム・ヒジョン議員が代表発議した大学構造改革法案が野党の反発で否決されると、政府が代替立法に乗り出しファン・ウヨ教育部長官の力点事業である外国人留学生誘致戦略を法案に組み入れた格好だ。

 自ら“セールス外交”に乗り出すほどに留学生誘致に注力したファン長官は、今月18日、社会関係長官会議でも「学齢人口の減少により大学生数が不足するため、外国人留学生誘致努力が切実に必要な状況」と強調したことがある。 教育部は「外国人留学生を誘致した大学に対して入学定員を縮小したものと認める方案などを実務的に検討している」と認めながらも「確定したわけではない」と明らかにした。

 教育部のこのような動きは、留学生誘致戦略の“政策失敗”を考慮していないとする批判が出ている。 政府は2012年に外国人留学生を20万人にまで増やすという「スタディ・コリア2020」計画を立て、奨学プログラムの拡充など種々の支援策を出したが、韓国内留学生の規模は2011年の8万9537人から2014年には8万4891人へと毎年減っている。 昨年教育部の委託研究を引き受けて「外国人留学生誘致・支援拡大のための政策研究」を行った漢陽大産学協力団さえ、報告書で「スタディ・コリア2020は実現可能性が非常に低い計画であり、留学政策を見る認識の転換がない限りは目標を実現できないだろう」と評価した。

 留学生誘致の拡大は、学齢人口の減少で直接的な打撃を受ける非首都圏の大学には効果がないという指摘も出ている。 チョン・ジンフ議員は「2014年に韓国内大学に在学中の留学生10人中7人が首都圏を中心とする47の大学に集中していた。 留学生誘致を通じて入学者の減少を補完することは地方の大学では事実上不可能に近い」と指摘した。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/692620.html 韓国語原文入力:2015-05-24 22:03
訳J.S(1310字)

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