凍りついた韓日関係は、膠着した南北関係とともに「朴槿恵(パク・クネ)外交」の座礁を象徴する事案である。2013年の朴槿恵政権発足以来、韓日両国の間では首脳会談すら一度も開かれていない。韓国同様、日本と過去の歴史や領土をめぐり紛争状態にある中国の習近平国家主席が、日本の安倍晋三首相と2回も会談したのとは対照的だ。
もちろん、最初のボタンを掛け違えたのは日本側だ。安倍政権が発足してから、日本軍慰安婦強制動員の国の責任を否定するなど、歴史退行の動きに出たのがことの始まりだ。しかし、韓国政府も、外交が行方不明状態に陥らせた責任は免れない。特に、朴槿恵大統領の歴史問題における強硬一辺倒な姿勢が、韓国の外交的選択肢を極度に狭めてしまったと指摘される。
朴大統領は、2013年7月10日、報道機関論説・解説室長との昼食懇談会で「韓日首脳会談は、未来志向の雰囲気の中で行わなければならない」とし、日本の慰安婦問題の解決と首脳会談の開催を明示的に結び付けて以来、現在まで連携戦略を固守している。安倍首相が数回にわたって首脳会談を開きたいとのメッセージを送ってきたにも関わらず、朴大統領はことごとく拒否してきた。「首脳会談を開いたのに、終わってからすぐまた慰安婦問題が浮上したら、かえって韓日関係が悪化する可能性がある」という理由からだった。
しかし、慰安婦問題の解決という単一の事案を首脳会談の開催と直結させた「連携戦略」は、ますます韓国外交に負担を加重させている。日米が密着し、日中も関係改善の模索に乗り出したことで、ますます韓国の立場は悪くなっている。事実上孤立してしまった韓国に、日本が腰を低くする可能性もほとんどなくなっている。
政府が今年に入って歴史認識・領土問題と安保・経済・文化協力を区別する、いわゆる「ツートラック」を対日外交基調として強調したのも、このような状況のためだ。特に、韓米日安保協力を促す米国の立場を考慮した折衷策と言える。しかし、米国の日本寄りが露わになった状況で、政府のツートラックのアプローチは、歴史認識問題では日本の反省を引き出せないまま、韓米日三角共助構図には一方的に巻き込まれて行く、最悪の結果につながる可能性があるという懸念が出てくる。独島(日本名・竹島)問題と日本の侵略の経験を抱えている韓国にとり、歴史認識・領土問題と分離して日本との安全保障協力に乗り出すのは、大きな負担だ。中国が韓米日三角協力を事実上の対中国牽制として捉えている点も悩みの種だ。
専門家の間では、歴史認識問題とその他の分野の協力とを分離する前に、歴史認識問題と首脳会談開催の連携の輪を切るのが優先だという注文が出てくる。チョ・セヨン東西大学特任教授(前外交部北東アジア局長)は「首脳会談と慰安婦問題という単一の事案を分離対応する方法を模索すべきだ」と述べた。歴史問題と安全保障は、複雑に絡み合った問題であるだけに連携して対処し、経済・文化協力は区別する、修正されたツートラックのアプローチがより有効という見方もある。外交の目標領域はリセットして、手段(首脳会談)は自由に使えるようにしようということだ。
韓国語原文入力: 2015-05-05 21:32