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日本に当てられ米国に轢かれて…突破口が見つからない韓国外交

登録:2015-04-08 20:39 修正:2015-04-09 13:03
窮地に追い込まれた韓国外交

日本の歴史・領土挑発強まり
“安保分離対応”しようにも
国民感情のために困難

専門家、積極対応を注文
「根本的には南北関係が改善できれば
韓国は対応の幅が広がる」指摘も

日本を訪問したアシュトン・カーター米国防長官(右)が8日、東京の防衛省で中谷元 日本防衛相と会談した後の共同記者会見で握手している。//ハンギョレ新聞社

 韓国外交が二重のジレンマに陥っている。 米国サード(THAAD・高高度ミサイル防御システム)の韓半島配置問題を巡って米国と中国という二つの鯨の間で顔色を伺う状況に加えて、今度は韓米日関係でもますます密着を強める米国と日本の間で微動だにし難い境遇に追い込まれている。 それでも政府がこれといった突破口を見いだせずにいて外交失敗論議が加熱している。

 米国はますます露骨に韓日関係において日本の主張に力を与えている。アシュトン・カーター国防長官の8日付け読売新聞インタビューは、韓国が歴史問題での葛藤にしばられず韓米日三角共助構図に早く乗らなければならないと背中を押す解説が出た。 イ・ウォンドク国民大教授は「最近の米国当局者の発言は、米国の本心のようだ」として「我々には不快だが米国は自国の利益を中心にした発言」と評価した。

米日の歴史問題発言と政府の反応。//ハンギョレ新聞社

 “アジア回帰戦略”を選んだ米国は、韓米日三角共助を領域内覇権競争の相手である中国牽制の基本方針にする意を明確にしている。 米国のこのような構想にとって最も大きな障害物がふらついている韓日関係だ。 日本の歴史歪曲と独島(トクト)挑発が起きる度に韓国は強く反発し、日本が含まれる三角共助にも拒否感をほのめかしてきた。 三角共助の構築が最優先課題である米国としては、躊躇している韓国がますます困った存在になっていると見られる。

 日本はこのような雰囲気に鼓舞されている模様だ。 米国にピタリとついて米日防衛協力指針(ガイドライン)の改定と集団自衛権容認など安倍晋三首相の念願をかなえると、韓国に対しては独島領有権主張を強化した中学校教科書検定と外交青書発表など過去の問題の“逆回り”を再始動をした。

 問題は韓国外交が明確な突破口を見いだせずにいる点だ。 韓国政府は、日本の歴史・領土に関する挑発と安保懸案を分離対応する“ツートラック”接近を基調としている。 ユン・ビョンセ外交部長官は8日、国会で開かれたセヌリ党との党政協議で「日本に対しては強く対応する部分と協力する部分の均衡を合わせ、どのように克服するかが課題」と話した。 だが、日本の挑発強度がますます高まる中で、素知らぬ顔で安保協力に乗り出すことは国民感情に照らして容易ではない。 韓国の三角共助編入を強く圧迫する米国にどのように対応するかは一層難しい宿題だ。 突然に三角共助に引っ張られて行き、行けば最大貿易国である中国の反発を招きかねない点も悩みの種だ。 ユン長官は最近、このような現実を“祝福”と呼び、“身動きできない外交”ジレンマを強調する批判に対して“敗北主義的、自己卑下的、さらには事大主義的見解」と一蹴して見せた。 だが、実際のところ高次方程式を解く答は出せずにいる。

 指向によりその方向と強調点は異なるが、専門家らは能動的で主導的な外交対応を注文する点では一致した。 チェ・ガン峨山(アサン)研究院副院長は「韓国がもっと早く主導的に“ツートラック”アプローチをしていれば、韓日関係で戦略的優位に道徳的優位を重ねることができただろう」と物足りなさを表わした。 朴槿恵(パク・クネ)政権が序盤から過去問題に極めて強く対応し、日本の反発と米国の無視を自ら招来した側面があるということだ。 マクロ的視野で「外交の難局を解く糸口を“南北関係改善”に求めなければならない」という指摘も出ている。 ムン・ジョンイン延世大教授は「北朝鮮との関係が改善されれば、安保で日本は大きな変数にならない」として「当然、過去の問題についても一層強く韓国が主張できるだけでなく、米国が圧力を加えても堂々と対応できるだろう」と話した。

キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/685999.html 韓国語原文入力:2015-04-08 19:15
訳J.S(1821字)

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