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[社説] 米国の“日本偏向”にいかなる対策をとるか

登録:2015-04-09 05:09 修正:2015-04-09 06:39

 米国と日本が8日、国防長官会談を開始し、同盟再編作業を一段落させるための手続きに入った。重要点は日本の自衛隊の役割強化を主な内容とする防衛協力指針(ガイドライン)の改正である。27日に両国の外交・国防長官が参加する安全保障協議委員会で内容を詰めたうえで、首脳会談(28日)と安倍首相の米国上下両院合同演説(29日)が続くことになっている。東アジア情勢にそれなりの影響を与えるほかないだけに適切な対応が求められる。

 1978年にソ連の侵攻に備えて作られたガイドラインは、1997年の北朝鮮核開発疑惑などを契機に一度改正されただけである。両国が目指しているのは一言するなら“軍事一体化”である。これは米国が中国を狙って求めているアジアの再均衡政策の主要な手段であり、日本に対しては平和国家の枠組みを越えて再武装を本格化させる道になる。米国が進める環太平洋経済パートナー協定(TPP)も再均衡政策の一つの軸である。

 米国はまず、過去の問題で日本側に傾いている。「韓米日協力の潜在的な利益は過去の緊張や現在の政治より重要である」という米国のカーター国防長官の8日の発言がまさにそれである。これに関連して日本はこのほど“独島(ドクト)挑発”を強化した。このような傾向をそのまま容認していてはならない。過去の問題では日本だけでなく米国に対しても妥協を許さない態度が必要である。韓米日の三角安保協力を進めさせようとする米国の圧力も高まっている。

 その中にあって高高度防衛ミサイル(THAAD)の朝鮮半島配備問題がある。米国の高官らと研究所が北朝鮮の核・ミサイルの威嚇をいっせいに強調しているのは“THAAD担ぎ”の性格が強い。政府はこの懸案でも確固たる態度を示すべきである。THAAD配備をはじめとする韓米日のミサイル防御体制の構築が我々(韓国)の安保の答えにはなりえない。

 さらに心配されることは米国と日本のこのような動きが北朝鮮の核問題の放棄などの状況悪化を黙認する対北朝鮮政策に合致しているという点である。これもまた我々が目指すべき政策基調と正面から相反する。朝鮮半島情勢が不安定になると我が国(韓国)の立場もいっそう弱まってしまうはずである。言い替えれば南北関係を積極的に解決して行ってこそ関係国に対する我々の位置づけも強められる。

 米国の国防長官が9日にソウルを訪問する。来週にも韓米日の高官の話し合いが予定されている。韓国政府は米国と日本が主導する雰囲気に巻きこまれず、バランス外交や北朝鮮の核問題など朝鮮半島の事案重視、過去の歴史解決などの原則をしっかり遵守することを望みたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/04/08 19:13

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/685996.html 訳T.W(1174字)

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